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18歳以上ですか?
23にしおりをはさみました!
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.........この廊下が永遠に続けばいいのに。今なら何処までも歩いて行けそうな気がする。
専務室へ戻るべく、恭司に手を引かれ、敷き詰められた絨毯の上を歩く。凪のその姿はまるで廃人の様に魂が抜け落ちていた。
お互い無言で歩いていると少し先に槇野の姿が見える。恭司の姿を見止めると、自分が一番美しく見える角度を極めた姿勢で頭を下げて微笑む。
しかし凪と恭司の繋がれた手を見た瞬間、般若のような表情に変わり禍まがしい殺気が溢れだす。
.........あ、槇野さん、化けの皮剥がれた。
頭を下げて廊下の端に控える槇野からメラメラと燃え盛る嫉妬の炎が見える気がした。目が合うとさらに槇野の殺気が増す。
......やめて、燃えちゃう!!只でさえ真っ白に燃え尽きそうな状況なのに、なんで燃え広がってるんだよぉ!山火事か?山火事なのか?
......? ハッ!!これっ?この手かっ?あぁ!もー、これは違うんだ!!お手手繋いで仲良し小好し♪じゃないんだよっ!連行だよ!!これは!!他の時なら絶対やだけど、今なら快くポジションチェンジするよー!お願い、そんな目で見ないで〜!!
縋る様な眼差して槇野へ向けて心の中でメッセージを送るも届きはしない。そこを通り過ぎた後も槇野の殺気を背中にヒシヒシと感じながら歩みを進めると専務室に辿り着いた。
.........あぁ、着いちゃった。やっぱりこの廊下は永遠には続か無かった。
無言のまま扉を開けていつも通り凪の背中に手を添えて入室を促す恭司。凪は会釈をするのも忘れ、心の中で考えて自分へ別れの言葉を言った。
たとえここで生き残れたとしても、間違いなく秘書室で槇野さんにとどめを刺される。氷の微笑に習い、凶器は当然アイスピック。
あら、カワイイ、ドット柄ね!って言われるほど、滅多刺しにされる。
どっちにしろ、....無理だな。うん。
グッバイ.....。俺。
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