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122にしおりをはさみました!
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眠る凪の髪を撫でて恭司はその寝顔を暫く見つめ続けた。あの後、お互いに達し、性器を抜くと、後は頼んだと言わんばかりに凪はスッと眠りについた。そんな凪をくすくす笑いながら恭司は後処理をし、幸せそうな顔で眠る凪の横で微睡んでいる。
するとインターフォンが鳴り、カメラを見ると階下のホールにいる隆雄が映っていた。
見てすぐ胸糞悪さを覚えたが、話しておきたいし丁度良いと、応答もせずにセキュリティを解除した。程無くしてやって来た隆雄と玄関ホールで対峙する。
「へぇ、連日通い詰めてんの恭ちゃん。...凪ちゃんは?」
「今は眠ってる。」
「...だからー、昨日も言ったけど、意識が無いの間違いじゃないの?お前本当、最低だな。」
苛ただしげに言う隆雄に、
「今日は本当に眠ったんだ。疲れたんだろう。」
と殊更、情事後だと言う事を匂わせた。
「...ふーん。俺が凪ちゃんとヤったから、怒って無理強いしたの?それとも愛人契約でも結んだ?
いい加減にしろよ恭司!!どんだけ凪ちゃん苦しめれば気が済むんだよ!!側に居てやれないなら手離せ!!てめぇの自己満で、凪ちゃん振り回してんじゃねぇよ!!」
恭司は胸ぐらを掴み怒鳴り散らす隆雄の腕を静かに掴み引き剥がすと「凪が起きるから大きな声を出すな。入れ、中で話そう。」と隆雄を招き入れた。
隆雄はリビングのソファーにドカリと座る。いつもの人当たりの良さは成りを潜め、苛立ちを隠しもしていなかった。
「で?話ってなに?凪ちゃん抱いた事なら謝んねぇから。悪いとも思ってねぇし。恭司、言ったよな?明日からはただの上司と秘書だって。だから別に恭司に逐一確認する必要ねぇし。だろ?」
「ああ。その通りだ。だが今日からは違う。凪を手離す気は無い。...少し、早いが動く事にする。」
恭司は静かな闘志を露にした。
「...へぇ、動く気あったんだ?チンタラしてるから、諦めてあの女と結婚でもすんのかと思ったよ。」
にやりと笑う隆雄にまさかと恭司も笑う。
「凪には待っててくれるよう頼んだ。まだ辛い思いも我慢もさせるだろうが必ず側に居られるようにする。」
「で、勝機はあるの?」
「誰に聞いてるんだ?」
自信満々に言う恭司に隆雄は「ですよね。」と言うと声をあげて笑った。
「じゃあ、上手くいったら、プレゼントあげる。恭ちゃんも凪ちゃんも凄く喜ぶもの。けど、失敗したら凪ちゃん貰うから。」
にっこり笑って言ったが隆雄のその目が少しも笑っていない事に本気だと感じた。
「凪は物じゃない。だが、凪がおまえを選ぶのなら仕方がない。その時は必ず取り返すよ。」
恭司も隆雄と同じ様ににっこり告げた。
「本当に嫌い、恭ちゃんのそういう所。ま、頑張って。じゃあ俺、帰るわ。凪ちゃん寝てるんじゃここに居ても意味無いし。じゃね。」
手をひらひら振りながら、来た時とは別人の様な顔で帰ろうとする隆雄を、ああそれからと恭司は呼び止める。
「次、凪に触れたら、確実におまえの息の根を止める。」
「......ねぇ、恭ちゃん、それ笑顔で言うの止めてくんない?マジで怖いから。俺、泣いちゃうよ?」
泣くと言いながら、けらけら笑って去っていった隆雄を見て恭司は気を引き締め直した。
一日でも早く、凪との日々を絶対に取り戻す。
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