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3.言えない気持ち14にしおりをはさみました!
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3.言えない気持ち14
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優しい栗原のことだから、できるだけ僕のことを傷つけまいとしてくれるのだろう。今のやりとりは忘れてくれと言えば、翌日からまたいつも通り接してくれるのだろう。
だけど、欲張りな僕が求めているのは、もっともっと重いことだ。
恋人として、僕を愛してほしい。キスもしてみたいし、身体を重ねたいとさえ思う。栗原にだったら、何をされてもきっと嬉しい。
どの願いも、栗原の重荷にしかならないものばかりだ。
栗原を愛しているからこそ、僕は告白すべきではなかった。たとえこの身体と精神が、荒川さんに蝕まれても。
「ごめん……」
ひたすら謝ることしかできずにいると、栗原が慎重に口を開いた。
「……中森には悪いが、」
続きの言葉を想像して、胸がずきん、と痛む。これから言い渡される現実は、僕を絶望させるに違いない。
僕が発狂しないためには、視線すらも動かさずにただ立ち尽くすしかなかった。
ーー僕が悪かったから、今の告白、なかったことにしてよ。そんな真面目な顔で考え込まないでよ。もう、何も言わなくていいから……。
栗原ははっきりと口にした。
「中森には悪いが、1週間考えさせてくれないか」
僕は思わず栗原を見た。聞き間違いとは思えない。だけど確かに栗原は、1週間考えたいと言った。
「い、いい……の……?」
「いい返事ができるかは、分からないが。中森と付き合うとか……考えたこと、なかったし……」
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