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酒は飲んでも飲まれるなにしおりをはさみました!
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酒は飲んでも飲まれるな
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「だからさぁ…なんであん時、転校してったんだよぉー。お陰で俺はまたイジメをだなぁーー…ひっく」
「分かった分かった、ごめんね?もう呑み過ぎだよ…。」
「うるへぇー!!酒だぁ!酒酒ぇ!!」
「はいはい、もう帰ろうねぇ。お家どこ?」
俺はべろんべろんに酔ってしまったちよを担ぎ、会計を済ませるとタクシーを停める。
シートに乗り込み、ちよは家の場所を聞かれただけで優位に立った気になり、なぜか楽しそうにニマニマしている。
「ん〜?…知りたい〜??」
「うん。教えて教えてー。」
割れながら棒読みだった気がしなくもないが、ちよは素直に教えてくれた。
運転手に場所を伝え、マンションまで送りベッドで寝かせる。
まだ呑む!とかなんとか言って暴れるのを抑えるのがすごく大変だった。
「…ん゛ん〜…ジヨぉン…」
「ん?何?…水飲む?」
「………」
「ちよ?」
ちよは俺を何故か恨んでいるらしい。
小学生の頃が原因…っぽいんだけど…んん?
何も答えないちよを覗き込むと、カッと目を見開き表情が鋭いものに変わる。
(あ、…俺死んだわ。これはアレだ。酔ったフリをしてマンションまで来させ、今までの恨みつらみを晴らすべく…俺をグサッとするんだ。…あぁ、お母さんお父さん、先立つ不幸をお許しください。愛してます。)
その瞬間ちよの口から液状のデロデロが出てきた。
「ぅ…ゔぇぇ……」
「ぬわぁぁ!!ちょっとここで吐くなよ!」
「うっ…ゔぅぅ…え」
気づくのが遅く、ちよの嘔吐物が俺にも掛かってしまった…。
「あ゛ぁ……もぅ」
「ゔ…ごめ…ジヨン」
俺を見上げるちよは苦しそうに眉を寄せ、目はうるうると濡れていて、上気した頬にハァハァと荒くつく息、濡れた唇。
思わずグッときた。
「…はぁ。とりあえず風呂行こう。」
「ぅん」
出来るだけ刺激しないようにゆっくりと抱き起こし、風呂場まで案内してもらう。
途中また嘔吐感がしたのか「うっ…」と唸っていたがそれが吐き出されることはなかった。
「そこの左の方が風呂…。」
「おぅ。仕方ねぇから一緒に入るぞ」
「ぅえっ!?」
「騒ぐな。また吐かれたら困る」
「………」
デロデロになったワイシャツを流しに捨て全てを脱ぎ去ったが、ちよは恥ずかしいのか中々服を脱がない。
「お前一人じゃ身体洗えないだろ…。
今なら俺がやってやるから早く来い」
「…………うん。」
かなり渋っていたが、自分の状況が理解出来たのかやっと服を脱ぎ始めた。
俺は先に入ってシャワーが温まるのを待ってから、頭から洗い流す。
一日の汗から解放されるこの瞬間が一番好きだ。
頭と顔を洗い終える頃にやっとちよが入ってきた。
「やぁーっと来た。」
「……ょ、よろしくお願いします。」
「ふはっ…よろしくお願いされますっ」
「ふふっ、なにそれ」
緊張が解けてきたのかな。やっと笑ってくれた。
イスに座らせ、シャワーをかけると身体がビクッと震えた。
「あ、ごめん、びっくりした?」
「ん…へぇーき」
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