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【3章 前庭】公道で
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僕らは、公道に戻ってきた。
長い旅から戻ってきたようだった。
無事に帰還した、とは言えなかった。
まだ、潤の家にすら、着いていなかったから!
それに、清らかな童貞の僕は、もういなかった。
「潤の家って、まだ遠い?」
僕は、バス停から、だいぶ歩くんだなあと思って尋ねた。
「すぐそこだよ。ここ」
立派な鉄格子の門があって、脇に、人が通るための扉がついていた。
「ここが、潤の実家?」
見ると門柱に「大洗」と表札があった。
「ここって、森の隣だよね?」
「うん」
「さっき、森の隣家は、譲って人の家だって言ってなかった?」
「言ったよ。あれ? そのこと、話したじゃないか」
「知らない人に、写真を撮られたって話だったから、てっきり、その知らない人が譲って人かと思ったんだ。写真撮ってたから」
「ああ、それは、本当に知らない人だったんだ」
「譲って人と、いっしょに住んでいるんだ?」
「そうだよ、兄だからね」
「え?」
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