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素直じゃないにしおりをはさみました!
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素直じゃない
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「王様が礼を言うなんて、明日雪でも降るんじゃない?」
「あぁ!? 今は秋なんだから降るわけねーだろ!
つーか、王様ってゆーな!」
いつも通り嫌みを言う月島を、思いっきり睨み付けてやる。
せっかくコミュニケーションだと思って礼を言ったのに、つくづく嫌なやつだ。
「…………。
月島お前さー、なんか顔赤くね~?」
「は?」
すると、黙って俺達を見ていた日向が、唐突にそんなことを言ってきた。
月島の顔が赤い? 熱でもあんのか?
「月島なんだよお前、風邪か?」
こいつのことは気にくわないけど一応チームメイトだし、心配だけはしといてやるか。
月島は俺から顔を逸らしているから見えないけど、確かに少し耳が赤いような気がする。
「風邪? まあ、僕は王様と違うからね、風邪ぐらい引くよ。
ほら、バカは風邪引かないってゆーし」
「はぁ? どー言う意味だコラ?」
「そのまんまの意味だよ」
またも月島と言い合いをしていると、日向が顔をしかめながら声を大にした。
「ちげーだろ月島! その赤いのは風邪じゃないだろ!?
少しは素直になれば?」
「何言ってんの意味不明? 日向も本当にバカだよね~。
僕が話しかける前の日向の方が顔赤かったと思うけど?」
「な、なな、そ、そんなことねーよ!
いーからちゃんと顔見せろ、こっち向け月島!」
「痛いなもう! 止めてくれる!」
日向はやはり感心するほどジャンプ力がある。
背の高い月島に飛び付き、顔を掴んで俺の方に向かせる。
あ、本当に顔真っ赤だ。
つーか、日向も真っ赤だ。
なんなんだこいつら。
「なんだお前ら、顔スゲー赤いぞ。
もしかして本当に風邪か?」
「俺は赤くねーよ!」
「いや、日向は赤いけど、
それより王様の目の方がもっと赤いよ。
どうしたの?」
「え? あっ!」
月島の言葉に俺は慌てて顔を隠した。
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