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18歳以上ですか?
203にしおりをはさみました!
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203
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「……あっちの生活はどうだ?」
「あっち?あぁ…Fクラスでってことか」
東は返事の代わりに頷いた。
「別に。ただ、授業がないのは少し味気ないな」
「そ、そうか。その……危ない目にはあっていないのか?」
「あ?そんなこと聞いてどうすんだ」
怪訝な視線を送ると東は気まずそうに視線をそらした。
「いや、別に。ただ気になっただけだ」
……わけがわかんねぇ奴だ
「……別に。毎日喧嘩があってるわけじゃねぇし。気に入らないことがない限りはおとなしい連中だな」
「そ、うなのか」
その声と表情には明らかに驚愕が滲み出ている。
確かに噂の中でのFクラスは最悪だったからな。
ある意味予想が大きく外れて俺だって拍子抜けしたくらいだ。
「慣れてしまえばどうってことねぇよ」
「……そ、うか。愚問だが、こっちに戻って来たいとは……」
「思わねぇな」
即答した俺に東は苦笑いを漏らした。
戻る気はない。
たとえ教師や理事長が頼んできたとしても、だ。
あそこで這い上がると決めた限りは何があってもあそこでやりきってやる。
「……もう俺をここに戻そうとするのは諦めろ。俺はお前たちにここから追い出された。お前たちが俺をあっちに追いやった。その事実は変わらねぇんだからよ」
たとえ、誰が俺のリコールに反対し、食い止めようとしたんだとしてもな。
そう続けると東は悔しそうな顔をして、そうかと小さく呟いた。
「もうこのことはいいだろ?さっさと進めるぞ」
「あぁ…」
少し雰囲気の暗くなった東を内心不思議に思いながら、作業を再開した。
そこからはほとんど無言の作業が続いた。
久しぶりの仕事ということもあって思うようにいかないところも出てきたが、なんとか片付けて行く。
……二週間だ
この二週間で体育祭を必ず成功させなくてはいけない。
そう考えるとよくわからねぇやる気が湧いてきた。
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