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2つのグループとは。にしおりをはさみました!
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2つのグループとは。
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「さっきさ、宝を何としても探し出したい2つのグループがあるって言ったよね。」
「うん、言ってた。」
「それの説明をしたいと思います。」
「はい。」
軽い授業的な勢いで、衛の説明が始まった。
「あのね、生徒会役員の5人と風紀委員役員の4人には、それぞれに親衛隊って言うのが公認で付いてるんだよ。」
親衛隊?何その日本史的なネーミング。
全くピンと来ない。
「まあ、生徒会役員と風紀委員役員の9人公認のファンクラブみたいなものだよ。だから、親衛隊に関しては、全ての監督は本人なわけよ。本人って、役員たちのことね。」
俺はイマイチわからない。
ファンクラブ?確かに、人気かもしれないけど……
「そして、志真ちゃんこっからが大変だからね。親衛隊だけなら、さほど問題はないんだよ。」
いや、あるよ。
親衛隊ってよくわからない組織だけで、俺は挫けそうだよ。
「問題は、親衛隊とは別にファンクラブっていうのがあること。」
「ん?親衛隊がファンクラブじゃないの?」
「親衛隊が、公認ファンクラブだとしたら、ファンクラブは、学校承認のファンクラブ同好会だよ。生徒手帳を見ればわかるけど、この学園は、5人以上の部員と顧問の先生のハンコがあれば、同好会として承認される。」
じゃあ、つまり、
①親衛隊
②ファンクラブ
っていう最初に衛が言った通り2つのグループがあるわけね。
「でもさ、何でどっちか1つに絞らないの?2つあったって、その人が好きだっていうのは変わらないでしょ?」
「それはね、この2つのグループ。結構、対立してるんだよ。例えば、会長いるでしょ?会長の親衛隊とファンクラブは、あんまりお互いに干渉しないようにしてる。まあ、言うなれば、生徒会と風紀委員みたいな感じかな。」
なにそれ、めんどくさ。
さっきから聞いてれば、親衛隊だのファンクラブだのこの学校いちいちめんどくさい。
1つにしてしまえばいいのに。
何でわざわざ別に作るのかな。(覚えるこっちの身にもなってほしい)
ん?でも待てよ。
そんなに親衛隊、ファンクラブって言ってるけど、一体何人構成なんだろう。全校生徒がどこかに所属してるっていうのは、まずないだろうけど……
「ねえ、衛。親衛隊とかファンクラブに入ってる人って何人くらいいるの?」
「合計したらよくわからないけど、200人はいるんじゃないかな。何せ、多すぎてよくわからない。それにね、結構掛け持ちしてる人もいるから。」
掛け持ち?
「親衛隊とファンクラブは、掛け持ち出来るよ。ちょっと複雑なんだけど、会長の親衛隊の人は、副会長のファンクラブを掛け持ち出来るんだ。でも、結構制限があって、親衛隊と親衛隊の掛け持ちは出来なくて、同じ人の親衛隊とファンクラブも掛け持ちが出来ない。」
難しい、難しい。
俺は、ちょっと深く考えるのをやめた。
だって、よくわからないじゃないか。
掛け持ちって何だよ。同じ人の掛け持ちが出来ないのに掛け持ちってことは、浮気みたいなもんじゃないのか。
「たぶん難しくてわからないだろうから、親衛隊とファンクラブがあるってことだけ覚えておいて。そして、志真は考えるべきだよ。少なくとも、俺らのクラスで親衛隊もしくはファンクラブに入ってないのは、俺と志真だけだ。志真が、生徒会の皆さんとお近づきになってるのが、バレたら何が起こる?」
何って。何だろう。
すごーい好きな人がいて、その人に、いきなり近づいていく男が現れたとしたら、俺だったら嫌だけど……あ、なるほど。
「俺、危険だね。」
「そう、志真ちゃん、今とても危険な位置にいるよ。」
その人たち全員を敵に回すってことか。
待って。
ただでさえ、クラスでまだ衛以外とお友達になれてないのに、俺嫌われちゃう。
「なあ、志真。何かあったら、俺にすぐ言えよ。出来ることがあったら、絶対に手伝うから。」
あー、こいつ……
「マイ・ベストフレンドよ。」
結局、その日は色々教えてくれた衛にご飯を作ってご馳走して、その後は色々とこの学園のこととか、衛の面白おかしい話を聞いた。
明日は、実は土曜日。休日なのだ。
出来れば、もう色々と2日間疲れたので、ゆっくりと眠って疲れを取りたい。
そう、もう出来れば、誰にも会いたくない……
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