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新たな風にしおりをはさみました!
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新たな風
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閉会式は、開会式同様華やかに行われた。
会長は、俺と山河が遅れてやって来たことを少し気にしていたが、俺と山河の間に流れる何とも言えない異様な空気に、しつこくは聞いてこなかった。
というか、会長が細かくしつこく聞いてこなかったことに感謝している。
もし、しつこく聞かれたら、非常にまずいことを口走ってしまいそうだ。
衛とともに1Aの列に並ぶ。
衛に関しては、俺と山河が一緒にいたことについて、一切触れてこなかった。
なんだかな……
あんだけ色々言われてきたからな……
寂しいと言ったらなんだかおかしいけど、確実に衛との距離が開いてる気がしてならない。
でも、それは仕方ないことだと、割り切るしか無い。
友達であることには、変わり無いのだから。
そんなことを考えながら、ボーッとしていると、突然俺の思考を埋めていた衛の顔が目の前にドンッと現れた。
ビックリして、一歩後ろに引くが、なんだか衛はとっても興奮しているようだった。
「志真！やばいよ！総合優勝！」
「はへ？」
衛は、単語だけを言って、何やらまだ式の途中なのに、お祭り状態になっているクラスの輪の中へ入っていった。
俺は、その場でポカンとしていた。
確か、閉会式が始まって、落し物のアナウンスがあって、すぐに順位発表があって……え？1A総合優勝したの？
遅れながら興奮がやってきた俺は、はしゃいでる衛の元へ行った。
クラスの人たちとは、まだ上手く喋れない。クラスの人たちも、俺との上手い接し方を知らない。
でも、今はそんなこと関係なかった。
「衛！総合優勝って！」
「そうだよ、志真ちゃん。俺ら、総合優勝だよ。」
衛と俺はお互いの疲れ切った顔を見て、抱き合って喜んだ。クラスの人たちも、そんな俺たちを讃えてくれた。なんて言ったって、俺たち4つの競技に出たんだから、もっと褒められてもいい。
クラスの何人かに、初めて楽しそうに話しかけてもらえた。
そして、俺もクラスの人に、話しかけることが出来た。
準優勝は、1Dで、3位は、3Aだった。
その後、各競技の順位が発表されたけど、驚いたことに、俺たち1Aは、サッカー以外は優勝がなかった。それでも総合優勝出来たのは、各競技で5位以内に入っていたからだろう。
そして、閉会式は好評にうつる___
「皆さん。スポーツ大会お疲れ様でした。総合優勝をした1Aの皆さんは、優勝おめでとうございます。生徒会役員にも、1Aがいますので、その努力は知ってます。4位以下のクラスの方も、それぞれで努力したと思います。いい思い出として、スポーツ大会が皆さんの心に残ってくれることを願っています。
さて、2年生以上の皆さん。お気づきでしょうか。優勝、準優勝ともに、1年生のクラスが取りましたね。これがいわゆる、新しい風、ということなのでしょう。今年の1年生のますますの活躍を期待しています。ですので、今年は1年生の中から、生徒会特別賞を差し上げたいと思います。」
胡散臭い笑顔は、多分会長の癖だ。
何だろう。こんな丁寧な口調は、先生の前か、全校生徒の前でしか喋らないよな……
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