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瑶と潤「自己欺瞞 1」にしおりをはさみました!
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瑶と潤「自己欺瞞 1」
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「潤、ごめんね、さっきは、生意気なこと言ってしまって。僕、間違っていたかな?」
瑶は、廊下で潤をつかまえて謝った。
「さっきって?」
潤は、聞き返した。
「『いいかげんにしろよ』なんて言ってしまって」
「ああ、それ」
潤は、笑った。
「間違ってないよ」
僕は、潤が笑ってくれたことに少しホッとした。
「潤が、藤木さんを疑うのは当然なのに。だって現に、潤を触ってたし。なのに、ごめんね」
「うーん」
潤は、教科書を手でパラパラめくっていじりながら、下を向いて、言葉を探しているようだった。
潤が手に持っていた世界史の教科書を友達が、奪い取った。
「返してくるよ」
潤は顔をあげた。
「あ、ごめん。さんきゅー。お礼言っといて」
「おう」
「僕だって疑ってたのに、藤木さんのこと。なのに、会話を盗み聞きしてたら、藤木さんは、味方なのに! って気づいて、それで、いきなり、潤に、あんな風に言ってしまったんだ」
「ちょっと、どいてくれる?」
潤の下の段のロッカーの人が言ってきた。
「あ、ごめん」
廊下の通行人を避けて、まわりこんで、潤のロッカーの前に立ちふさがってしまっていた瑶は言った。
まごまごする瑶を潤は、僕の腰を抱いて、どかした。
瑶は、潤に抱き寄せられる格好になって、潤の身体がぐっと近づいて、どきっとした。
潤の身体から甘いエキゾチックな香りがした。
このままずっと抱かれていたい。
潤に腰を抱かれたことにどきどきした。
「邪魔になるから、こっちに行こう」
潤が瑶の手を引いて言った。
瑶たちはロッカーの脇に移動した。
「まさか、こんな展開になるとは思わなかった。俺、藤木さんに生徒会室に連れ込まれて、エロいことされる覚悟したから。兄貴が、藤木さんに写真送った時」
潤は、笑みを浮かべた。
「そっか……」
「電話で月曜日に……って言ってたからさ。俺が、自分から求めたみたいになっちゃってたし」
「ああ、そうだったよね」
「だから、エロ展開は覚悟してた」
「断ろうとは思ってなかった?」
「思ってたよ。無視しようと思ってた。忘れたふりして。誤送信とか、一時的に高ぶってて言っただけだろって、向こうも流してくれるだろうと思って。でも、直々に、教室前まで、来られちゃったからね」
「潤も、藤木さんは、危険な人じゃないって思う?」
「うん。そうかもね」
「ここで話す話しじゃないか」
「だね」
次の数学の授業は潤とクラスが違ったので、瑶と潤は、そこで別れた。
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