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【中間考査】自業自得。でも、腑に落ちない。にしおりをはさみました!
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【中間考査】自業自得。でも、腑に落ちない。
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ヤベェ……。
中間テストの通知書が担任から一人一人に手渡される地獄の時間。
出席番号順で渡されるため、教壇の前へ順番に並んでいく皆の流れに乗りながら、ため息をつく。
この二、三日の間に各教科の授業中に答案が返され、点数は全て把握しているから、結果が無惨なのは今さら見るまでもない。
問題なのは、全教科の点数のみならず、各教科の平均点、順位まで書かれている通知書を母さんに見せなければならない事だ。
特に英語と数学………。
地の底を這うような点数で、俺自身もメンタマ飛び出るくらいビックリした。
「平原」
……キタ、俺の番だ。
「英語と数学」
数学担当の担任にギロッと睨まれた。
「すんません……」
通知書を受け取って、肩を落として席に帰った。
ホームルームが終わり、皆がサッサと教室を出て行く中、俺は生気を失ったままトロトロと帰り支度をしていた。
「平原ぁ」
西浦がカバンを持って俺の席にやって来た。
「お~、落ち込んでるねぇ」
ニヤニヤしながら、肩を叩いてからかってくる。
「お前はどうだったんだよ」
机の中のモノをカバンに詰めながら、横目で西浦を睨む。
「おれ?良い訳ねぇじゃん。追試、一緒にがんばろーな!」
西浦は悪びれた様子もなく、ニカッと笑う。
……ちょっとくらい落ち込めよ。
「なぁ、早く帰ろーぜ」
「うん。……あれ?前田は?」
教室にはすでに前田の姿がない。
「生徒会の集まりだって。先に帰ってて良いってさ」
前田はクラス委員をやってる。
面倒見の良い前田は、満場一致で押しつけられていた。
前田は二年連続就任でブーブー言ってたけど、前田以上に適任はいないしな。
前田は頭良いからテストの結果なんて心配しなくて良いんだろうなぁ。
冗談抜きで、マジでヤバい。
しばらく、母さんには渡さないでおこう。
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