アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
15にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
15
-
「優希、そう言えばお前、今回の中間テスト、相当ひどかったらしいじゃないか」
はっ?
何でこんな時にわざわざ言うんだよ!?
父さんを睨むと、赤ら顔で目が据わっている。
完全に酔っている。
おいおい、マジか……。
この状態の父さんに反抗すると、めちゃめちゃ絡んでくるから、本当に面倒臭い。
ここは怒りを堪えて、穏便にすませるんだ!
がんばれ、俺!!
自分にエールをおくって、心を落ち着かせる。
「………うん、ごめん。詳しい事は、後で話すからさ。今は、マークさんと楽しく呑んでよ」
マークさんは少し頬が赤くなってるけど、それ以外は変わった様子はない。
ふと目が合うと、ニコッと嬉しそうに笑いかけてきた。
……いや、やっぱり、ちょっと酔ってるか?
「それで、何の教科が悪かったんだ?全部か?」
えー、この話し、続けるの?
勘弁してよ。
父さんは顔を近づけて、さらに問い詰めて来る。
うわ、もうっ、酒クセェ。
「英語と数学」
顔をしかめて身を引きながら答えると、父さんに大きなため息をつかれた。
「またか。あんまりひどいようなら、塾へ行け。今からつまづいてたら、受験の時に苦労するぞ」
「えー!まだ早いだろ!!」
勉強嫌いで、高校受験の時でさえ三年の1十月から嫌々行ったぐらいなのに、こんな早い時期から行きたくねぇよ。
「そんな事言ってる場合か。このままじゃ、どうにもならないから言ってるんだぞ。お前、自分で苦手克服、出来んのか?自分じゃ出来ないから、いつでも赤点とるんだろうが」
「……酔ってる父さんに言われても、説得力ないんですけど」
日頃は何にも言わないクセに、こんな時ばっか父親ヅラして、本当、ムカつく。
それに、毎回赤点は取ってねぇ!ギリギリだけどセーフの時もある!
酔っぱらい、マジでウザッ!!
「何だ?俺はまだ酔ってないぞ!」
「酔ってるヤツは、みんな酔ってないって言うんだよ!」
「まだ酒も呑めないガキが、生意気言うな!」
座ったまま顔を付き合わせて、俺と父さんの攻防戦がしばらく続いた後、マークさんが間を割って入ってきた。
「あのっ!もし、良かったら、私が教えましょうか?」
……は?
今、なんて言った!?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
89 / 105