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家族作戦2にしおりをはさみました!
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家族作戦2
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「あらあら、春斗くん、うちの長男好きになっちゃったの?」
雪菜さんが、穏やかに笑いながら裏から入ってくる
「母さん、良かったなぁ!これで居酒屋仁の美人女将の座を譲れるぞ!」
「えー!その座は私にー!」
テンション高めの2人に対して、雪菜さんはくすくす笑った
「仁太のこと好きになってくれてありがとう」
「いや…お礼なんて」
「でも、ダメよ。」
はっきりと、言われた。
びっくりしすぎて、俺たちはみんな呆気にとられた。
「な、なんで!いいじゃん!春斗なら、お客さん受けもいいし!仁にぃだって!」
奏太さんの言葉にも、雪菜さんは笑うだけ
「私は反対してないわよ?春斗君がいい子だし、仁のこと大事に思ってくれるって、親としても嬉しいしね」
「反対じゃないのに、ダメ?」
「うーん。いいのよ?好き同士、相手が男でも女でも幸せならね。でも春斗君は17歳で、まだ道が選べるでしょ?」
「俺は、仁といたいのに?」
「そうね。今はそうでも、5年後には違うかもしれない。」
「そんなことないよっ!!」
「今は、その気持ちが大きいけどね。
春斗君はこれから成長して、たくさんのことを知るの。そうすると今ある価値観とか生活観念とか変わるものなのよ。
仁も…あなたの言葉を本気にしてないでしょ?」
そうだけど、そうなんだけど…
でも、変わらないものだってあるんじゃないの??
少なくとも、俺は仁を好きなのは変わらない
「仁太はね、長男だから誰よりもしっかりしてるし、優しいのよ。でもね、あの子が優しいのは寂しいからなの」
「えっ…」
仁は、寂しさとかに無縁だと思ってた。
こんな明るい家族に囲まれて
一人でいる時間なんて、ないって…
「小さい頃はお店で精一杯で、面倒見れなくて。ようやく落ち着いたら弟達ができて、そっちに目がいっちゃってね」
申し訳なさそうに、雪菜さんが言った
「仁太が使う言葉は、自分にも向けられてるのよ。多分そうやって、自分を励まして寂しいのを我慢したんだと思うの」
ひとりじゃない、とか、みんな味方だ、とか
俺を勇気付けた言葉は、仁にも向けられてたんだ。
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