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ヒント
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「…どういう意味だよ」
「いや?鈍いなぁと思って」
「は…!?」
ムカつく、なんだこいつ。
さっきから何を言いたいのかわからない。
「…知らないって何をだよ」
「舜のこと。もう気付いてるのかと思ってた」
「だから何を?はっきり言えよ」
苛立ちを抑えきれなくて、雅を睨みつける。
化粧してるみたいな強い目が、まっすぐ俺を見た。
「…俺から言えるわけねぇだろ」
ふっと目を逸らして呟く。
その声が、なんとなく寂しそうで、どうしていいかわからなくなってしまう。
「…意味がわかんないんだけど」
「まぁ、そうだろうな。お前も鈍そうだし」
「鈍いとか何回も言うんじゃねぇよ…」
ほんと嫌なヤツだわ、こいつ。
何が言いたいの?
(っていうか、もしかして…俺が真山のこと好きなの、気付いてるのかな…)
大した話もしてない気がするけど、気付かないうちに詮索とかされてたりして。
そもそも、遊んでよって俺を誘ってきたのも、それが理由だったのかな。
(それにしても、さっきから何を言われてるのか全然わかんないけど…)
『……お前、何も知らないんだな』
『舜のこと。もう気付いてるのかと思ってた』
考えれば考えるほどわからない。
知らないってなんだよ。
気付いてるってなんだよ。
「…でもまぁ、舜も鈍いからな…」
突然、呆れたようにため息をついて、雅が立ち上がった。
俺もなんとなく立ち上がって、話の続きを待つ。
「ヒントやるよ」
「ヒント…?」
さっぱり意味がわからない。
ヒントとかあるの?
「…俺さ、昨日からずっと考えてたんだけど」
俺に背中を向けて話す雅。
顔は見えなかったけど、なんか真剣な雰囲気だ。
「さっき、答え出たから言うわ」
「……?なに?」
雅が振り返って、俺のほうに近付いてきて。
コーヒーの匂いがする、と思ってから数秒。
抱きしめられてることに気付いた。
「…俺、お前のこと好きかも」
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