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18歳以上ですか?
約束ですよ先輩にしおりをはさみました!
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約束ですよ先輩
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「なあ希一、お前勉強しなくていいの?」
「真咲さんと一緒に居るのにそんなのしたくありません」
「お前なあ……」
「どうでもいいけど人ん家でいちゃついてんじゃねえよ」
鷹也が迎えに来てそのままに、真咲達は鷹也のマンションで集まっていた。
すっかり集まる時の恒例のようになった部屋で
真咲は大神に後ろから抱き締められて話している。
もういつもの事だと言うように羽島と神楽は放置しているし
コーヒーを淹れにいっていた鷹也も半分諦めつつ注意していた。
「ん。真咲はこれ」
「あ、ありがと~鷹也」
「……真咲さんよくそんなの飲めますね」
「ん?でもこれ鷹也も好きだしわりと皆好きなんじゃねえの?」
キッチンから戻った鷹也が真咲に渡したのはコーヒーではなくチョコレートドリンクで、
嬉しそうに受けとる真咲に、甘いものが苦手な大神は少し顔をしかめる。
そして鷹也と好みが一緒だという事にさらに拗ねたような顔をした。
「希一甘いの苦手だもんな」
「……真咲さんは辛いの苦手ですもんね」
「お前らさあ……好み真逆だと不便じゃない?」
「え、何が?」
むすっとした大神をくすくす笑いながら撫でてやる真咲に、
羽島が不思議そうな顔をして疑問をぶつける。
少し寂しくはあっても不便まではいくかな、と
真咲と大神は顔を見合わせた。
「だって好きなもん食べた後にキスできなくない?」
「ああ確かにな……って鶴人お前そこはほっといてやれよ」
「いやだって気になるじゃないですか」
「あーもう希一拗ねんなって大丈夫だって、
俺そんなん気にしないから……つーか、希一マジで勉強大丈夫?」
全国模試はもうすぐあるんだぞ、と、
それでいい順位じゃないと舞鶴は諦めてくれないんだぞと真咲が年押しすれば、
さらに拗ねたような雰囲気を出して真咲を見る大神。
「真咲さんと居るときには他の事に集中したくありません」
「じゃあ真咲が他のとこ居ればいいんじゃね?」
「真咲さんに会えないのなんか嫌です」
「我が儘だなお前」
我が儘と言うより真咲バカか、と神楽は呆れもしたが、
大神の表情も感情も、自分の家に連れてこられた時より格段に表に出るようになった。
だから真咲には頭があがらないなと神楽は内心で思っている。
「あ、じゃあさ、こうすれば?
大神が模試で1位とったら真咲が何でも1つだけ言うこと聞いてくれるっての」
「ええ、おい鷹也お前なんて提案してんの」
「別にいいんじゃね?
そこまで頑張ったならご褒美くらいやっても」
「…………それ本当ですか」
あ、断れない。
真咲は大神の目を見て直感した。
先ほどまでの拗ねたような雰囲気なんてない、
ただじっと真咲を見る目は、大神が真剣な時の目でまた、真咲が好きな目だった。
「お、おお……1位、なら、まあ」
「わかりました、俺頑張りますね。
でも真咲さんといる時は真咲さんにしか集中しませんけど」
言ってることが矛盾している、と
そう思いながらも、幸せそうにふにゃりと笑う大神の可愛さに
きゅうん、と胸がときめいた自分は末期なのではないかと
真咲は複雑な気持ちもあったがそれ以上に大神の可愛さに盛大にやられたので
なんだかもう何でもよくなっていた。
結局自分も大神に対しては相当バカなのだと思って
周りも気にせずぎゅうう、と大神に強く抱きついた。
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