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迷い(龍之介side)にしおりをはさみました!
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迷い(龍之介side)
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右手をかばいながら25メートルプールを20往復して上がると、身体を流れ落ちていく水はそのままに、顔にかかる濡れ髪を両手で後ろに撫でつけた。
深くため息をつきながらプールサイドのバスタオルを敷いたデッキチェアに横たわり、目を閉じる。
生徒会役員棟内部にある役員専用のスペースはいつものように閑散としていた。
学園に戻ってから、早3日。
ハルトも寝る間も惜しんで情報を集めてくれてはいたが、未だ行動に移せるほどの情報は得られていない。
ユージンにも同じく組織内部を探らせてはいたが、ジンの水面下での動きを相手に悟らせず、こちらに有益な情報を引き出すのは並大抵のことではなかった。
ジリジリと焦りばかりが胸を焦がす中、自分に課せられた至上命題は腕の治癒である。
腕に負担のかかるすべての行動をルイから禁止されていた。
かといって戦闘を控えた今、トレーニングを控えるわけにもいかない。
綿密に組まれた可能な限り腕に負担をかけず体力と技術を落とさないための訓練を、日々淡々とこなしていく。
普段好きなトレーニングを好きなだけ行うスタイルをとっているだけに、精神的にもかなりの苦痛を強いられた。
「……アイツはそういうの得意そうだよな」
口元にかすかな笑みが浮かぶ。
他人から見たら苦行でしかないトレーニングを、顔色一つ変えずに完遂しそうだ。
黒豹のようにしなやかな身体をプールの水が流れ落ちる様を思い、身体が熱くなった。
嫌がる身体をデッキチェアに抑えつけ、愛撫とささやきで火をつける。
誰が来るとも知れない場所で、羞恥を煽りながら水着を剥ぎ取り、濡れていく瞳と身体を視線と声で犯しながら、長くしなやかな脚を抱え上げて……。
「……はァ」
この妄想はヤバイ。
触ってもいないのに完全に臨戦態勢を取る、聞き分けのない己の下肢に苦笑した。
考えてみれば珍しくここ3日、抜いてもいない。
気持ちが張り詰め、それどころではなかったのもあった。
「……右手使わなきゃ、いいだろ」
いつ何があってもいいようにと両利きで育てられたが、やはり左の方がなにかとしっくりくる。
一度起き上がり、簡単にバスタオルで身体を拭くと、新しいものを敷いて、再び横になった。
身体の動きを妨げない、最低限の面積しかない黒のブーメランパンツをずらし、左手をもぐりこませた。
双球から先を外気にさらして、すでに完全に芯を持った竿から先端にかけて撫で上げる。
緩やかな、じんわりと染み入るような心地よさに、息を吐いた。
先端の膨らみの根元を、指先でつまむように刺激してやると、トプリと先走りが溢れてきた。
それを塗り込めるように鈴口を攻めれば、ビリビリと痺れるような快感が背筋を這い上がっていく。
不意に、濡れた目で限界を訴える士郎の全身から放たれる強烈な色香が蘇り、3日も放っておかれた雄が今にも爆発しそうに昂ぶった。
「……っ」
理性と感情、快感と罪悪感に引き裂かれながら、ギリギリのところで踏み留まろうとする硬質な魂が、嗜虐心と征服欲に火をつける。
……めちゃくちゃに乱してやりたい。
何度抱いても足りなかった。
戦いの後の熱で、一時的に入れあげることはあっても、一度抱き尽くせばほとんどの場合、目が覚めた。
ここまで後を引くのは珍しい。
永遠に自分を熱くさせてくれる相手を求めながら、いざ見つかりそうになると状況がそれを許さないとは、ひどく因果な気がした。
士郎に闇の世界は似合わない。
最初に出会った時から感じていた。
克己のガードとして送り込まれてくるぐらいだから、アンダーグラウンドな世界と無縁ではないのだろうが、染まり切るにはいかんせん、真面目で優しすぎた。
人を意味なく傷つけたり、ましてや殺すことなど絶対にできはしないだろう。
無理やり引きずり込むことはできる。
だが、そこに己の生きる道を見出せなければ、いずれ必ず破綻する。
わかっていて共に来いとは言えなかった。
そばにいられる時間はおそらく、もうそう長くは残されていない。
抱き潰してしまいたい熱と、今はジンに集中すべきだという思いの狭間で引き裂かれそうになる。
士郎のうねり絞り尽くすように締まる熱い中を思い出した瞬間、
「……っ」
飛沫が勢いよく吹き上がり、辺りを白く染めた。
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