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遅い夏休み④にしおりをはさみました!
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遅い夏休み④
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風呂から上がり、しばらく二人とも湯上りと情事の後の気怠い体を横たえていると、夕食の時間だと告げられ、真白は居住まいを正した。運ばれてくる食事は懐石でとても豪華だった。真白はいつもよりも食が進み、少し食べ過ぎてしまった。料理を一通り食べ終わると、敷いてもらっていた布団に寝転ぶ。
布団は二組用意されていたが、佐伯は真白が寝転ぶ布団へ横になる。そして真白と向かい合い、抱き合い啄ばむ様にキスをする。真白は微笑んで佐伯の頬を撫でると、佐伯も真白の頬に手をやり優しく撫でた。
「ちょっと、お腹が苦しいかも…」
「…少し食休みしてからかね…?」
「…そうさせてください…お腹いっぱいで動けないです…」
真白はごろんと仰向けになってお腹を摩って微笑んだ。佐伯も笑いながら真白のお腹の上に手をやる。いつもよりも真白の腹はふっくらしていた。
「…せっかく筋肉付いてきたのに、これだと脂肪が付きそうです…」
「お前はもう少し太った方が、筋肉も付きやすくなるよ」
「? そうですかね?」
「そうだよ」
真白はこの時間が永遠に続けばいいのにと思った。仕事も家族もとても大事だ。でも佐伯とこうして二人で一緒にいられる喜びは、他の全ての事を霞ませる。
最近佐伯は真白に対して過保護だ。新舞浜フロンティアでの一件で心配をかけたから仕方ないと思って真白は何も言わない。そして、きっとそれだけではないのだろう。
佐伯に心配されるのは悪い気分じゃない。でも心配かけさせて申し訳ない。無力な自分が哀しい。
真白は色んな想いが胸にせり上がってきて、締め付けられる感覚に何故か目頭が熱くなって、右腕を眼の上に乗せた。
「? 真白?」
「お腹…いっぱい過ぎて…苦しいです…」
佐伯はぎゅっと真白を抱き寄せる。真白も佐伯の胸に顔を埋めた。佐伯には分かってしまっているだろうか?でもどうか、今だけはこのまま何も言わずに抱きしめて欲しい…。
佐伯はそんな真白の心を知っているかのように、何も言わずにただ真白を抱きしめた。
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