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《廻らぬ歯車》63にしおりをはさみました!
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《廻らぬ歯車》63
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今度は口腔内を奥歯で血が出るほど強く噛みながら…
アキラをそっと抱きしめ…
「アキラに触れていたい」
そっと囁く…
それが本心。
身体が勝手に拒否しようとも、ほんとうの気持ちを伝えたかったから…
「っ…バカやろ、」
みずきの言葉…
想いに…
肩を震わせ、抑えきれず涙が零れてしまう。
そこまでして愛してもらえる人間じゃない…
みずきを苦しめている元凶はこの自分なのに…
みずきを…そっと抱きしめ返そうと指を動かすアキラだったが…
でも…
流されちゃいけない。
頭を振って手を止め、アキラは…
「…クヤっ『サクヤ!』」
絞り出すように暗示のキーワードを言葉にする。
「……、」
すっと、抱きしめていたみずきの腕の力が抜ける。
そして、慌てたように後ろへ下がるみずき。
「……」
そのまま口元へ手を当て、不意に、ペッと血の混じった唾を草地の方へ吐き出す。
再びアキラに視線を戻して…
「どうした?大丈夫か?」
屈んで俯いているアキラに声をかけるみずき。
「…平気」
小さい動きで涙を拭いながら…
「そうか…」
「お前こそ口切って、大丈夫かよ?」
寄ってきたメアリーとリッツを撫でながら普通に対応するアキラ。
「あぁ…」
よく状況が理解できていない様子のみずき。
「早く帰って口洗えよ…」
早々に帰宅を促すアキラ。
「…そうだな、じゃぁ帰るから、気をつけて」
暗示のかかったみずきは、やはりあっさりと自分のアパートへ帰って行く。
なぜここに来たのか分からず首を傾げている様子で…
「……」
その後ろ姿を静かに見つめているアキラ。
もう限界…
これ以上長引いたら…アイツの精神が持たない。
『好きなんだ、愛してる、これが本心…』
必死なみずき…
知ってるよ…知ってるから、こんなにも苦しいんだ。
みずきの温かさが残る右手に触れながら…
早く終わらせなければ…
そう強く思うアキラ。
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