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18歳以上ですか?
①ー02にしおりをはさみました!
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①ー02
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「…はぁ、最速記録更新か」
だるそうに呟いた赤毛の男は、特に反省した気配も無く殴られた頬をさすりながら溜め息を吐き、流れで腕時計に視線を落とした。
最速記録って…何の記録なんだろう。
「…大分時間取られたな。出勤しないと」
荷物らしい荷物も無い赤毛の男は、そのままマンションの専用駐車場に向かって歩き始める。
見ていて直感で思った。
この人…スゴく精気が強そうだ。
やっと良さそうな獲物を見つけた。
だけど焦りは禁物だ。
…今日1日は様子を見てみよう。
そう思い経った俺は、赤毛の男を尾行するべく黒い翼をはためかせ…、一定の距離感を取りつつ空から追いかける事にした。
*******
彼の高級感ある黒い車を追って到着したのは、高層ビルが建ち並ぶビル街。
そして大通り沿いにあるアパレルショップの駐車場に停めた赤毛の男は、スタッフ専用の裏口から店内に入っていく。
ここの、店員なのか?
表に回って硝子張りのショーウィンドウから中を覗こうとすると、横の自動ドアの開く音に驚いて体が跳ねてしまった。
「いらっしゃいませ」
見ると綺麗な女性店員がお客さんを丁度出迎える所だった。
実体化出来る程の妖力が無い今の俺は、霊感のない人間に姿を見られる心配は無い。
霊感を持つ人間は俺達淫魔にとって怖い存在だと教えられているからあまり遭遇したく無くて、もう少し元気だったら俺自身、そういう人間は見分けられるんだけど…今は分からないから、つい過剰にびびってしまう。
だけど此処まで来たんだ…折角だからそのお客さんの後に付いて、俺も店内に入ってみる事にした。
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