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18歳以上ですか?
お似合いですにしおりをはさみました!
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お似合いです
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早速、女の人が口を開く。
「…で、探してる人ってどんな人なの?」
「この人。…遠くて顔は見えないんだけどさ。」
「は?顔分かんないとかどうやって探すの…?」
「それを、今から考えて!」
「…あー、それで私呼んだの?」
「そういう事!」
楽し気に話す宮城先輩の声が聞こえて、仲が良い人とはこんな風に明るく話をするのか…とぐるぐる醜い感情に支配されていく。
宮城先輩と話をしている女の人は、どんな人なんだろう。
宮城先輩の事、何も知らない。
だからこそ、何でも知りたい。
好きなもの、好みのタイプ、苦手なもの、お気に入りの場所…隣に立って、何でもないような話をずっと聞いていたい。
次の時間の教科書を借りてみたい。
体育の時間、宮城先輩が格好良くシュートを決める姿をこっそり眺めてみたい。
テストの前にどちらかの家に行って、勉強を教え合ってみたい。
でも、出来ない。仕方ない。先輩だから。
今話してる女の人はそれが出来るんだと、1年も宮城先輩と長く付き合いがあるのだと、分かっていたことだけど、想像よりも早く思い知らされる。
でもせめて、先輩の事が知りたいと言う一心で、俺はそっと顔を上げて、女の人へと顔を向ける。
「………綺麗な人だ、」
黒い髪は綺麗なストレート。
瞳も俺の変な色とは全然違って、
深い黒色をした真珠のよう。
肌は女性らしく白色で、大和撫子そのものだった。
そして170近くあるだろうその背丈は、同じく背の高い宮城先輩の隣に並ぶと、かなりお似合いだった。
スラリと長身な宮城先輩に見合うだけの女性らしさと凛々しさを兼ね備えているその人に、俺は絶対勝てないと思った。
……どうかこの人が、
宮城先輩の事好きじゃありませんように。
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