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お揃いの群青色の瞳にしおりをはさみました!
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お揃いの群青色の瞳
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『外しても、いい…?』
そう掌に書かれ、ボクはきょとんと、兎羅に意識を向ける。
兎羅の手が、ボクの包帯に触れた。
「後で巻いて貰えますか? 自分じゃ出来ません…」
困ったように、八の字に歪むボクの眉に、兎羅は、笑うような音を溢した。
包帯を押さえる留め具に手をかけた兎羅は、ゆっくりと外す。
するすると解かれる包帯に、心臓が、ドキドキと音を立てた。
剥がされた包帯に、ボクは、ゆっくりと瞳を開く。
何かに納得したように、兎羅は、息を吐いた。
ボクは、兎羅の気持ちがわからなくて、首を傾げる。
『お揃い』
「おそろい?」
手に書かれた文字に、首を捻り問うボクに、兎羅は笑いの音を立てる。
『僕の瞳も青いんだ。ハロと一緒…』
くすくすと漏れる、笑うような兎羅の音が、耳に届いた。
『…同じ群青色の瞳。でも、ハロの瞳は瞳孔が開いてて、ほとんど黒だね。見詰められると…吸い込まれそうだ』
ふわりと近寄った兎羅の顔。
ちゅっと感じた感触は、兎羅の唇が、ボクの頬に触れたもの。
はっとして、兎羅のキスが落ちた頬に触れた。
慌てるボクに、兎羅の笑う音が響いた。
『ごめんね…』
つい、してしまった…、そんな雰囲気を浮かべる兎羅。
ボクは、ふふっと小さく笑った。
笑うボクに、兎羅の顔が、再び寄った。
ボクは、兎羅の唇をぺろりと舐め上げた。
その仕草が、オネダリとなったように、兎羅は、ボクにキスをした。
『ハロは、ピアノ好き?』
兎羅の質問に、ボクは、首を捻る。
『……琉は、本当は優しい人なんだ』
ふっと息を吐いた兎羅は、文字を繋げる。
『僕を気づかって、…ピアノを弾いていれば、聞きたくもない音を聞かなくてもいいって。だから、琉がここに来るときに、ピアノが響くんだよ』
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