アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
平凡にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
平凡
-
『だまれ! この平凡!』
平凡って、そんなに悪いことなの?
僕、黒澤日月は、中等部で散々言われたんだ。
平凡は一ノ瀬様に近付くな、って。
僕はどうしてダメなのか分からなかった。
でも、答えは単純で。
ルイはかっこよくて
僕は普通の顔で
釣り合わない、ってことなんだよね。
でも、ルイのことをよく知ってる僕が支えてあげないと、ルイは
また塞ぎ込んじゃうんだ。
だから、どんなに酷いこと言われたって耐えなきゃ…………
そう思ってたら、僕が潰れそうで。
だから、僕は、周りの評価を認めた。
それからだと思う。
なんだって、『僕なんか』って片付けるようになった。
認めちゃえば楽なんだ。
そうしたら、もう何を言われたって当たり前みたいで。
悲しいなんてそんなことない。
所詮、僕なんだから。
でも、時雨くんは違かった。
『僕、日月くんのこと好きだし、あんまりそう卑下にならないでよ』
僕のこと好きだなんて言ってくれる人、今まで居なかったんだ。
『悲しいよ』
その言葉が嬉しかった。
どうして時雨くんはわかってくれたんだろう。
時雨くんは不思議な人だ。
でも、なんでだろう。
信じてもいいって、思える。
それに、僕がごめんね、って言ったら、
「謝らなくていいよ。
それに、僕は日月くんのこと可愛いと思うよ」
って。
顔、赤くなっちゃってないかな……
可愛いなんて、初めて言われた。
それに、僕は可愛くなんか…………
やめよう。
もう、やめたいんだ。
僕は、僕を否定ばかりすることに疲れちゃったんだ。
他人が認めてくれなくたって、時雨くんは認めてくれたんだから。
もう否定ばかりするのはやめよう。
時雨くんは優しく笑ってくれた。
だから、僕も笑顔で、
『ありがとう』
って。
本当に嬉しかったから。
ちょっと怖いってことも知ったけど…………
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 198