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18歳以上ですか?
10にしおりをはさみました!
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10
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(うわぁぁぁ!何なんだ!俺!!錯乱しすぎだろ!?マジで意味不明だし!)
木下さんの指示通りに自販機コーナーへと舞い戻った俺は、先程の醜態を思い出して、恥ずかしい気持ちでいっぱいになっていた。
穴でもあったら入りたい、いや、穴を掘って埋まってしまいたい程に。
いい大人が人目も憚らず隅っこで頭を抱えている光景は、さぞ滑稽だろう。
(……木下さん、絶対ドン引きしてる。あぁぁ、もう駄目だ。もう、何もかも終わった)
膝を抱えて踞りたい衝動にかられた時「柘植さん」と声をかけられた。
「お待たせしました。……ここではゆっくり話も出来ませんので移動しましょう」
俺の顔を見た木下さんは何を思ったのか、すぐに目を反らして俺の手を引いて足早に歩き始めた。
(えっ、急にどうしたんだ?)
痛い程に手首を握られて、凄い早さで人の流れを横切り本線から離れて行く。
本殿からも出店からも遠ざかり、いつの間にか人通りも疎らになって、ようやく立ち止まったのは、敷地の外れにある寂れた庭園だった。
あまりの急ぎ足に、俺の息はすっかり上がってしまい肩を上下させる程だったが、木下さんの背中は何時もと何ら変わりはなかった。
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