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11-5にしおりをはさみました!
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11-5
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「いらっしゃいませ、星ちゃん」
一日中まったりと過ごした俺たちは、ランに聞きたい事があると、星が真剣な顔をして言ってきたので、光との約束の時間より早くランの店に向かっていた。
「早めに来て悪かったな。つってもお前、普段店立たねぇーから関係ねぇーか」
「そんな事ないわよっ!確かにお店は綾ちゃんに任せてる事多いけど、私も色々やる事やってんですからねっ!」
綾ちゃんはランの右腕。
ランが店にいない時は綾ちゃんが店にいる。最近は綾ちゃんがいる事の方が多いような気がするけど。
「ランさん、お時間とってもらってすみますん。あの……お聞きしたい事があって……」
下を向き重たい表情の星……ランに何聞くつもりなんだよ。
「なーに?なんでも聞いてちょーだい」
「……ちゃんとした料理人って、髪長いとダメなんでしょうか?」
「は?」「へ?」
星の質問に俺とランはポカーンとする。
「あの、横島先生っていう調理学科の先生に、前髪が長いから月曜までに切ってこいって言われて………。実習中はちゃんと髪留めて、帽子から出ないようにしてるんですけど。それだけじゃ駄目だって………ちゃんとした料理人になってほしいから、身だしなみには気を遣えって……月曜までに切ってこなかったら、俺がお前の髪切るからなって言われて………」
おい、星くん。俺はそんな話聞いてねぇーぞ。誰だ、横島って。てかすげぇームカつく野郎だな。
「雪夜、貴方オーラが怖いわ。ちゃんとした料理人ね……衛生面に気を配る事はもちろん大切よ?でも実習中はちゃんとしているんでしょう?なら、前髪長くても問題ないんじゃないかしら?確かに今の星ちゃんは、鼻先位まで長さがあるから、少し切ってもいい気がするけど。私も髪は長いわよ?よこしま…横島…………星ちゃん、その先生のフルネームわかる?」
「確か…横島……まさ……なんとかです」
ランはうーんと考え込むと、何か思い付いた様にポンっと手を叩く。
「横島………まさ…って……星ちゃん、それ横島昌人じゃない?」
「あっ、はい。それです」
「あぁ?なんでランが知ってんだよ」
「知ってるも何も、多分それ私の後輩よ。星ちゃん、その先生って有名ホテルのキッチンで10年勤めてたって聞いてる?」
「え?あ、はい。聞いた事あります」
「じゃあやっぱり間違いないわ、それ私の後輩の昌ちゃんよ。あの子いつの間に先生なんかやってたのかしら。全然知らなかったわー。連絡先、変わってなければ連絡取れると思うから。星ちゃん、私から昌ちゃんに話しておく様にするわね。多分、髪切らなくても大丈夫よ」
「え?なんで……」
「貴方の隣にいる男の顔を見てご覧なさい?そのうち昌ちゃん殺しにいくわよ?」
「?!」
星は煙草を咥えた俺を見て、完全にビビっている。
なにをそんなに怖がってんだよ。
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