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12-3にしおりをはさみました!
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12-3
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「で、ゴールデンウィークの話はどうなってんだよ?」
白石さんは煙草に火を点けると、ここに集まった目的の1つ、ゴールデンウィークのお泊まりの話を兄ちゃん達に聞いていた。
「俺と優はいつでもいいから、日にちはユキちゃんに合わせようかなって。運転、ユキちゃんだし」
あ、本当に運転するの白石さんなんだ。
「こっから下道で3時間半くらい、高速だとその半分くらいで行ける場所にある二階建ての一軒家。ガスだけ使えないから、風呂は近くの銭湯だ。それでもよければ好きに使える」
優さんがそう言うと、兄ちゃんは隣でうんうんと頷いていた。
「男4人で銭湯かよ。まぁ、メシはガスなくてもどうにでもなるしな。星がそれでいいなら、俺は構わねぇーよ」
「えっと……大丈夫です。でもオレも一緒にいて迷惑じゃないですか?」
今日もそうなんだけど、この中にオレがいるのって邪魔じゃないのかな?優さんとは、まともに挨拶すらしてないのに。
「迷惑なんかじゃないよー?せいがいるからユキちゃんが運転してくれるんだし、せいは俺の弟でユキちゃんの恋人なんだから、優に遠慮する事なんかないんだよ?」
そう言った兄ちゃんの隣で、今度は優さんがうんうんと頷いている。
………優さんがいいならいいのかな?
「星、優と光は気にするな。俺の事だけ考えてて」
サラリと言われた白石さんの言葉に、俺の顔は赤くなる。
「赤くなっちゃって、せい可愛いっ! あ、ねぇーねぇー海行きたい!優!! 海っ!!」
「光……何度も言うが、あの海は遊泳禁止だ。行くのはいいが、絶対に泳ぐな」
「でも砂丘あるんでしょ?なら色々遊べるじゃん。近くに芝の公園もあるんだって。せいっ、楽しみだねっ!!」
「う、うんっ」
白石さんと一緒にいれるなら、正直オレは何処でも嬉しいんだけど。
「星が楽しみなら、俺も楽しみ」
白石さんは煙草を咥えながら、オレに微笑んで優しく頭を撫でてくれた。そんなオレ達を見て、兄ちゃんはニヤリと笑う。
「優、俺にもユキちゃんと同じ言葉言って?」
「……光が楽しみなら、俺も楽しみ」
兄ちゃんの言葉に従い、白石さんと同じような事を言う優さん。
「へへ、優って面白いね」
「光、お前が優に言わせてんじゃねぇーか。優も平気な顔して言うなよ」
「光に言えって言われたから」
「はぁ………お前らの関係性は相変わらずだな。優が何でも言う事聞くから、光が調子乗んだよ。まぁ、光の我儘を聞いてやれるのも優しかいねぇーけど」
兄ちゃんによしよしと頭を撫でられてる優さんだけど、クールな表情は変わらないまま。
兄ちゃん、とっても楽しそう。
オレはこの時、優さんは白石さんとはまた違う意味で凄い人なんじゃないかなって思ったんだ。
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