アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
久々のフルネームでの挨拶
-
俺の名前は上村 辰成(うえむら たつなり)。
大学1年、19歳。
年の割には落ち着いて、大人っぽいとも言われる。
芸能人では最近よくテレビで見かける糸井舜に似てる何度か言われた。
身長178センチ、去年より1センチ背が伸びていた。靴のサイズは27センチ。
髪の色は黒で、肌はやや浅黒く、一応筋トレをして鍛えてるおかげか、”何のスポーツサークルに入ってるの”かよく聞かれる。
しかし、サークルに入っていない。
大学に入ってからすぐにバイトを始めてたから。
「おはようございますー。」
「あぁ、おはよう、上村君。」
寝癖の付いている店長に声をかけ、2つ先のロッカーを開けた。
「ゴメンね、朝から入ってもらって。」
「いえ。」
店長は寝癖がわからないのか、寝癖のついたままの髪でロッカーを閉めた。
「助かるよー、上村君が結構シフト入ってくれるから。菊池さんはお子さんがいるし、西川ちゃんは今、実習多いしさー。野上さんは日曜日は休みたいとかいうし。。…でも上村君はいいの?日曜日とか大学生なら友達とかと予定あるんじゃないの?」
「……」
辰成はカチンとロッカーを閉めて、店長に顔を向けた。
「いえ、特には。俺は今、1年だからまだ焦ってしなきゃいけないことはないし。」
「そっかー!いやーホント助かるよ!」
そう言って背を向け、出口に向かう店長に辰成は口を開いた。
「店長、椿さん、まだ来ないんですか??」
つい大きな声になっている自分がいる。
「あっ…」
店長は何かを思い出したように立ち止まった。
「…そう言えば….今日はまだ連絡ないなー。まだ体調悪いのかなー?昨日とか元気ない声だったし…」
「体調、どうなんですか?」
「なんか凄くお腹下してるみたい。本人は牡蠣にあたったんだっていってたけど…」
「…牡蠣ですか?」
「牡蠣はあたるとひどいんだよ!可哀想に…あれ以上痩せたら皮も無くなって、骨だけだよ。」
辰成はぎゅっと汗をかいた拳を握った。
「…大丈夫…ですかね?」
「後で電話してみるよ。あら?あと牟田さんまだ来てないのかなー?やばい…またどっかのコンビニに寄ってんのかなー電話してみよう。」
バタン
ひとりスタッフルームに取り残された辰成は自分の右横のロッカーを見た。
俺がここでバイトを始めたのは、他にいいバイトが見つかるまで短時間だけという軽い気持ちで入ったバイトだった。
でも初日に肩をぶつけた相手が、俺にとっては運命の人だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
124 / 147