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俺にとっての運命の人
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初日、少し焦っていた。
接客業は初めてだったし、あまり愛想がいいほうではない。
しかも早めに来てねと言われたのに従業員通路がわからないでキョロキョロしていると、自分より頭一つ分くらい小さな人が前を歩いていた。
華奢な身体でショートの髪の襟足から白い首が見えていた。
(どこのスタッフの女性だろう?)
その人の後ろ姿はどきりとした。
(女の人にしては背が高いし、線が細くて色が白い。。)
自分の胸が早鐘を打っていた。
辰成は顔が見たくて仕方なかった。
比較的モテる方だと思う辰成はササッと髪を手で撫でながら、距離を詰めた。
すぐそこに綺麗な茶髪がふわっふわっと揺れた。
(顔が見たい!絶対、美人だ!)
「うぃ〜クシュン!!」
(!!)
「あっ〜鼻水が。。」
太くはないが明らかに低い男の声が前の人からした。
「花粉かなー?」
(男!!?)
辰成は何故か怒りがこみ上げた。ブルブルと頭を振る前の人の肩にワザとぶつかり前に進んだ。
「うわっ!」
後ろで声がする。
(ちっ!初日から足止め食らったぜ!)
「椿 雄大です。」
真っ正面から見た時、やっぱり美人というか、可愛かった。
大きな茶色の瞳に色白の肌、顔が小さくて、目以外のパーツも小さくてお人形のようだった。
(後ろ姿の通り…)
それ以上だった。
さっきは女だと勘違いして怒っていた自分が、今は男だからって関係ない、凄くタイプだと見惚れてしまっていた。
彼は色んな表情を見せた。
基本、優しいのでニコニコしてるし、お客さんにもニコニコしてる。
俺はそれ以外が見たかった。
おかげで俺の前ではムスッとしたり、ジロリと睨んだりする。
それがたまらなく可愛くて、欲しかった。
だから俺は運命の人だって思ったんだ。
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