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店長とスタッフ
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「つ、椿さん!!?」
(あぁ…来ちゃった…)
「やぁ…」
うちのモテ男は一昨日の喧嘩の影響か、まだ少し頬が腫れていた。
上村くんは来てすぐに私には目もくれず、横をガツガツと歩いていった。
「どうしちゃったんですか!?その頭??」
(わぁ…言っちゃったよーー)
ハラハラしながら、同時刻に来た西川ちゃんとと身を寄せ合って見ていた。
しゃがんでいた雄大君は不愉快そうな顔で、上村君を見上げた。
「どうって?」
「いや…金髪になってるから…」
「……」
雄大君はムスッとして、段ボールを抱えて立ち上がった。
「…悪いかよ。。」
(んまっ!雄大君がそんな感じに返すなんて!!)
私はつい口に手を当てた。
「ゆーちゃんどうしたの?」
「わっかんない。なんか…急に…」
「今まで天使のように素直で可愛かった子が、爆発して、扱いにくい思春期を迎えたみたいな感じね!」
「上手いこと言う!」
ドヤ顔の西川ちゃんを指差している間に状況はさらに悪化した。
「離せよ!」
雄大君の高い声がして再び顔を向けると2人は段ボールの奪い合いをしていた。
「俺が運びます!」
「自分で運べるし!!大体、お前まだ就業時間じゃないだろう!?」
私と西川ちゃんは左腕につけた腕時計を見た。
「5分前行動ですから。これ、貸してください。」
一回りも大きな上村君に段ボールを取られそうになり、雄大君は必死に段ボールに食らいついていた。
「僕は男だ!余計な手出しするな!」
雄大君は段ボールを死守し、ふんっと言って、上村君に背を向けていた。
「……」
上村君は痛々しげな目で雄大君を見ている。
口の端に貼られた絆創膏が痛々しい。
(上村君はえらく雄大君を構うよな…)
毛を逆立てる雄大君とは真逆に上村君は真摯な顔をしていた。
「??」
上村君は雄大君に顔を寄せ、何かを囁いた。
雄大君はびっくりしたように顔を上げたが、うっと顔を詰まらせた。
ドサッ!!
大きな音がフロアに響いた。
「僕は…今も….これこらもそんなこと言われても困るよ!」
「考えて欲しいんです。」
「無理だよ…頼むから…今はほっといてくれ。。」
段ボールを床に落とした雄大君は顔を右手の甲で隠しながら、バタバタと売場から居なくなった。
残された上村君は一度、天井を見上げて、大きくため息を吐いて、落とされた段ボールを抱えるために膝を曲げた。
私と西川ちゃんはそれを呆然と見ていた。
「て、店長!ちょつと様子見てきたら?」
「えっ?」
西川ちゃんは珍しくオロオロした顔で、私の服を引っ張った。
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