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2.失恋してもやっぱり好き-2
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ユキジは立ち上がり、洗面所へとのそのそと向かう。そして、手慣れた手つきで両目のコンタクトをはずして、鏡に映る自分をジッと見詰めた。
「青い眼……」
役柄で今は茶髪になっているが、色白の肌に青い眼は日本顔には合っていない。
もう少しハーフな顔をしていればいいのに、そんな匂いもしないほど、ユキジの顔は日本人だった。
黒のコンタクトを付けなければ不気味に見える。
「なんで青なのかな……」
黒の眼をしていればもっと違った人生を歩めたもしれない。もっと、自分に自信を持って生きれたかもしれない。
そうすれば、祝と出会う事もなかったかもしれない。
「でも……好きになったんだろうな……」
どんな形で出会っても、ユキジは祝に恋をする自信があった。
祝の後を追い、声優の道じゃなくても一緒にいたいが為に同じ道を選んだと言い切れる自信があった。
それくらい、ユキジは祝を愛していた。それは、今も尚。
「好きだな……」
恋人がいてもこの気持ちは治る事をしようとはしない。
「やっぱり……好きだな……」
奪いたい。そんな事できるわけがないと知りながらも、ユキジはそうできたらなと思っている自分がいるのに気付く。
アニメやドラマなら、役になりきってなんでもできるのに、現実の自分は挙動不審で何も言えないただの弱い男。
本当、つまらない人間だ。
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