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未来への一歩
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お風呂から出てソファーで待っていると、いくつかの封筒を渡された。
「温和、これ…」
封筒には全て獣医学の言葉が入っている。
「千も来年は受験だからね。 東京の大学でもいいんだけど」
アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツと国内だけじゃなく海外のもある。
「ドイツは語学の問題があるから迷ったんだけど、英語が話せればコミュニケーションには困らないと思う。もちろん、国内にもいい大学はたくさんあるし千に行きたい所があるならそこでいい。
気にいったところで考えればいいよ」
俺も大学はどこにするか考えてたけど、でも東京じゃなかったら温和とは会えなくなっちゃうから、それだけは避けたかったのに…
「温和は俺と会えなくなってもいいの?」
そう思ってるのは俺だけだと思ったら悲しくなってきた。
「今でもなかなか会えないのに、海外になんて行ったら年に一回か二回しか会えないんだよ。
俺は嫌だ!! 温和に会えないなら大学には行かない!!」
温和の眉間に皺が寄った
「馬鹿、獣医になるんだろ?千之助の将来のことなんだから、そんな簡単に言うんじゃない」
「簡単?簡単じゃないよ!! 俺だってちゃんと考えてる。温和と一緒にいたいから東京の大学に行こうと思ってたもん。
温和こそ俺とのことはどうでもいいんだ。 一緒に住んでくれるって言ったのも口約束で終わらせるつもりだったんでしょ」
もうダメだ。 気持ちが高ぶって涙が溢れる。
このままじゃ、温和にひどいことを言ってしまいそうで、俺は帰る為に立ち上がった。
「千、待って!」
「離して!! 今は温和と話せない。俺は…んっ」
チュッ…クチュ…
嫌なのに。抵抗したいのに、口内を動く舌に力が抜けていく
「はっ…はるかズルい…」
すっかり力が抜けた俺は温和の腕の中で、身を任せるしかなくなった。
「千、俺の話をよく聞いて」
諭すように優しく話しかける温和の瞳はとても真剣で、俺は反論も逃げることもできなくなった。
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