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優しくされると困る
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目が覚めると、ベッドの上だった
思わず体を確認してしまった
「安心しろ、何もしていない」
「ご、ごめんなさい」
「遊ぶのなら無理矢理の方が楽しいが、本気なら無理矢理ではなくお前から来て欲しいから」
それは無いと思う
ここにいる奏は俺の知らない奏だし、浮気はしたくない
「もう少し休んでいろ」
「はい」
ふかふかのベッドは同じ
枕もふわふわ
違うと言えば・・・・・やはり服装ぐらいかな
「お前には助けてもらった、褒美をやろう」
「えっ?」
「何でも欲しい物を言え」
「結構です、そんなつもりはなかったですし」
「では、どうしてだ」
えっ?
どうして・・・・・・・
それは・・・・・・それは
「お腹が空いていたのに奇襲にムカついたからです」
もう少しまともな言い訳にすればよかった
奏は優しく笑いながら頷き、俺を見つめた
「そうか」
「はい、ですから褒美とかいりません」
「お前は変わっているな」
「そうですか?」
「俺の傍に寄って来る奴らはみんな金目当てなのに」
「それがわかっていて・・・・・・・・」
「まぁな、だから金で買ったようなオモチャ同然として扱ったまでだ」
「でもっ」
「だが、お前はどうやら金では買えないらしい」
「当たり前です!」
「そこが気に入ったんだよ・・・・でも、そこだけでもないけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした」
何だか、知り合った頃の奏と会話してるみたいだ
何だろうこの感じ
「奏は寂しいのですか?」
「えっ?」
「ごめんなさい・・・・・・・・・何となくです」
「寂しいか・・・・・・王族はみな孤独だ」
「でも、楓とか」
「楓はあくまでも親友兼側近・・・・恋人ではない」
「・・・・・・・・ですよね」
確かに楓は親友
奏も昔は相当遊んでいたみたいだけど、それもやはり寂しかったからなのかな?
今更だけどね
「じゃ、何もしないのなら一緒に寝ますか?」
「えっ?」
「何もしないのならが前提です」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった」
「ものすごく悩んでいましたね」
「理性が保てるかの確認だ」
「成程」
「好きな奴が隣に居て、耐えられる奴は普通いないだろ」
「じゃ、やはりやめま・・・・」
「大丈夫だ」
「わかりました」
と言うか、さっきから何を読んでいるんだろう
朝の奇襲は敵国とか言ってたけど、もしかして戦争中なのかな
「あの」
「どうした」
「今は戦争を?」
「ああ、ある土地を巡ってね」
「ある土地?」
「小さな島だが鉱石が豊富なんだ」
「鉱石」
「この国が豊かになれば国民の生活も安定する」
「そうですよね、仕事も与える事も出来ますし」
「ああ」
やはりいろいろ考えていたんだ
ここの奏もいい人みたいだし安心したらまた眠くなってきた
聞いた事のない鳥のさえずり
甘い香りの穏やかな風
全てが初めてだらけだけど、きっとここでも生きて行けるはず
でも、あまり優しくしないでね
俺の方が理性が保てなくなりそうだから
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