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「空、そのまま目を閉じていろ」
「えっ?」
この声は・・・・・・
「貴様、何者だ」
「俺に剣を向けた奴から死んでもらう」
「ふざけるな、やれ!」
「どうやら死にたいようだな」
嘘・・・・・こんな人数なのに一人で勝てるわけないよ
「なっ!貴様・・・・何故その剣を」
「もう遅い」
何が起きてるの?
少しだけ目を開けて周りを見た瞬間、真っ赤な光が飛び交っていた
これって・・・・・・
「貴様、王族か・・・・しかしいつまで持つかな?」
「黙れ」
「こちらにはまだ数百の兵がいるんだぞ」
「奏・・・・・・」
「確かに不利だな、でも遊びはもう終わりだ」
「何だと?」
「空、動くなよ」
「う、うん」
そのまま抱き上げられて崖から飛び降りた
「いやぁーーーー!!」
結局死ぬの?
「凱、念の為に封印を」
「わかった」
「えっ?」
な、なんで?
俺が見つけた穴がどんどん消えて行く
「これでいい」
どうしよう
俺のせいだ
「ごめんなさい・・・・・俺」
「庭師がお前のスタッフを見つけたんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・うん」
「この城には同じような穴がたくさんあるが、それがどこに繋がっているかはわからないんだ」
「うん」
「二度と抜けたりするな」
「はい・・・・ごめんなさい」
すごく、怒ってる
でも、俺が悪いんだから謝るしかない
「まぁまぁ、空も助かったんだしそんなに怒るなって」
「間に合わなければ死んでいたんだぞ」
「そうだけど・・・さ」
「奏はそれほど心配だったんだよ」
「楓、そもそもお前が開けた穴だろーが!!」
「そうだっけ?」
「ったく!」
「奏ももういいでしょ?空も反省・・・・・・そのたまごは?」
「渡されたんだ」
「誰に?」
「ドラゴン・・・・でも、そのドラゴンは殺された」
「奏、これって」
「ああ、この世界の人間が必死に探している物だな」
探しているってどう言う事なんだろう
「もしかしてドラゴンが空に心を開いた・・・・・のか?」
「そうなるね」
「本物なのか?」
「確認したいのならたまごに触れてみればいい」
「だな、よし」
凱がたまごに触れようとした瞬間
「うわーーーっ!!」
「本物みたい」
「ああ」
思い切り吹き飛ばされた凱の体を支えながら、楓は険しい表情でたまごを見つめた
「あの、どう言う事?」
「それは神聖なドラゴンのたまごなんだよ」
「うん」
「本来、ドラゴンのたまごは人間には見つける事が出来ないと言われているんだ」
「でも、さっきの人達は」
「でも、一つだけ方法があってね、ドラゴンを生け捕りにして奪うと言う方法」
「そんな」
「でも、成功したやつはいない」
「どうして?」
「生け捕りにされる前に、ドラゴンはたまごを隠して自ら死んで行くから」
「だからあんな無茶な事を・・・・・・」
「でも、空はドラゴンからそのたまごを託された」
「うん、任せたって」
「たまごから孵ったドラゴンは空になつくんだ」
「俺に?」
「そう、ドラゴンの力があればどんな国でも落とせると言われているからね」
「そんな事はしない」
「そうだね、そして国を守ることも出来る」
「うん」
「頑張ってたまごからドラゴンを孵してみる?」
「それがみんなの役に立つのなら」
「おおっ!すごいぞ、本物のドラゴンを見れるかも知れないな」
「頑張るよ」
「ああ、頑張れ!」
凱はたまごに近付かないように応援してくれた
「奏、いつまでもそんな顔しないの」
「・・・・・・・・・・・・・・凱、空を頼んだぞ」
「ああ」
やっぱりまだ怒ってるんだ
そして俺は奏の信用まで失ったのかもね
大切なスタッフを庭に隠して、勝手に城を抜け出して死にかけたなんて、ホントに馬鹿すぎる
「はぁ・・・・・」
「落ち込むなって!奏はめちゃくちゃ心配してたんだぞ」
「でも」
「あの穴は必ずしも同じ場所に出るとは限らないからな」
「うん」
「何度も行き来してお前を捜したんだ」
「そんな事までして」
「それほどお前の事が心配だったんだろ?スタッフが庭から出て来たと聞いた時の奏は、この世の終わりみたいな顔をしてたしな」
「どうしよう・・・・俺」
「とにかく、今度から外に出たい時は必ず誰かに声を掛けろ」
「わかった」
「じゃ、もうこの話はおしまい」
「・・・・・・・・・うん」
「使い魔が腹を減らしてるぞ」
「あっ!とんかつ」
すっかり忘れてた
急いでスタッフを持ち、ふらふらしているとんかつにご飯をあげた
「ごめんね」
「死ぬかと思った・・・・そうそう、そのたまごは魔法で小さく出来るよ」
「えっ?」
「空がやってみて」
「うん」
「スタッフでたまごをぽんぽん!」
「たまごをぽんぽん・・・・おわっ!」
「ねっ?強度は同じだから簡単には割れないから安心してね」
「わかった」
これで持ち運びやすくなったかも
「すごいな、使い魔って」
「うん」
「そうだ、そのたまごをいれる袋を作ってやるよ」
「ホント?」
「ああ、待ってろ」
そう言って、ハンカチを取り出し俺に渡した
「ん?」
「もう少し待て」
「うん」
そして今度はフルートを取り出し、そっと唇にあてると綺麗な音色が流れた
「あっ!すごい」
「これでいい」
「ありがとう!」
「こうして首にかけていれば安心だろ?」
「うん」
一枚のハンカチが綺麗な布袋になった
やはり不思議だけどここではそれが当たり前なんだ
・・・・いやいや、凱がすごいのかも
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