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名前を書いてみて…国影
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「国見、あきら」
「…漢字で書いてみて」
「え?紙貸して」
"国見英"
堂々と書かれた自分の名前を見てつい、顔が綻ぶ。
好きな人に名前を書いてもらえれば誰でも嬉しいだろう。しかも俺の名前は覚えにくい。覚えていて且つ書いてもらえたんだ、嬉しくない訳がない。
「国見も書いてみろよ」
「影山とびお?」
「おう」
国見英と書かれた所の下に自分の字で影山の名前を書く。
"影山飛雄"
どう?と影山の方を向いたら顔を赤くしていた。
やっぱそうなるよな。
そう思いながら紙を千切って国見英を切り取る。
これは宝だ。多分こんな機会もうないだろうから、クリアファイルにでも入れとこうか。
考えてやめた。勉強机に置いておこう。
いつでも目に入るように。
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