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告白から3…月影
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取り乱していた彼の耳の赤みが引いた所で声をかけた。
「急にどうしたの」
彼はビクっと体を震わせた。急に声をかけた事は謝るからその反応はやめてよ、傷付く。
影山は必死に言葉を出した。
「月島の、期待する『恋人』ってやつに、なろうって」
つまり彼も焦っていたという事だ。
何となく分かった。そう言えば言っていたのだ。一番最初に。「お前は、俺と付き合って何かいい事あんのか」って。多分それだろう。
僕が悪いじゃん。手に入れた事に満足できず、まだ先を望んで、それを認めたくなくて。結果不安になっていたのは彼の方だ。
「影山はほんと、バカだね」
「っ…」
傷付けるつもりはないけれど、本当に彼はバカで、そして儚い。何で僕の所為にしないの。何でほしいって言わないの。
「僕が教えるって言ったよね」
「…言った」
「ちゃんと教えるから、泣かないで」
目元に溜まる宝石のように綺麗な水の玉を吸い取る。驚いた様子で真っ赤に染まる彼は……可愛い。もう認める。認めるから。
だから神様、彼を丸ごと愛せる能力とか…ください。
愛にマイナスなんて、いらなくて。
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