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今日はバイトも無いし、講義も昼すぎで終わりだから早々と帰路につく。
「ただいま…」
玄関にはまだ目新しいスニーカー。
奥の部屋には帰りを待っていた人(アンドロイド)がいて…
「っていない?!」
靴はあるのに本人がいない。
まさか……
「誘拐?!それとも泥棒か?!」
「んな訳ないだろ…」
後ろからの声に振り向くとホッとひと安心した。
「お前どこに居たんだよ」
「トイレぐらい行かせろ…」
「なんだよ、心配させるなよ……」
全く…親の心子知らずとはよく言ったもの……ん??
「雪也……お前…トイレとか行くんだな!」
「俺だってご飯食べんだから出るっちゃで……って何言わせてんだよ!!」
「あー、はいはい。悪うござんしたー。」
14歳ともなれば反抗期真っ最中というか、あんまり自分の事って言いたく無いんだよなぁ…
アンドロイドだけど。
「って、今日は早いんだな」
「まぁ、講義もバイトもないし…」
「そっか…」
……ん?なんだこの空気…なんか静かになってしまった。
なぜ少年(アンドロイド)とこんな新婚夫婦の初々しい関係みたいな感じを漂わせてんだ俺は?!
ここは年上の俺がしっかりリードして……ってカップルじゃないんだからっ!
あー、傑に言われたように俺は妄想しがちなのかもしれない…
ふと、見ると雪也もどうしていいかわからない表情をしている。
やはり、俺から切り出さなくては…
「「あのさ!」」
俺と雪也の声は重なる。
しまった…
「あっ、悪い。雪也から言って」
「えっと……あんたからお金預かって食材とか買ってきたりしてんだけどさ…やっぱりどうしても食費が俺のせいで…計算上このまま節約してても持ちそうにないんだよね…」
痛いところを突かれた。
「俺のせい…だから…その…」
「子供のくせしてそんなの気にしてんじゃねーよ。」
「え…」
「俺が雪也にここに居ろって言ったんだからそんなの気にしなくていいんだよ……それに…ずっと家事とかさせっぱなしで俺ももっと楽させてあげなくちゃいけないのに出来てねぇしな」
「別に、俺は家事ぐらい余裕だからいいよ…」
「いいから我慢なんてするなよ、俺もバイトだってしてるし!そうだ!今週末どっか出かけようぜ!どこ行きたい?」
「……いちいち子供扱いすんな」
「いいだろ、俺だってたまにはどっか出かけたいしさ!で、どこ行くよ?」
「………ケ」
「え?なんて?」
「……カラオケ…に行きたい…」
「え?あぁ…わかった。カラオケな!楽しみにしとけよ」
雪也は黙って頷いた。
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