アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
13
-
「あの、池上さん。あいつの名前ってなんですか?」
大輝は名前を聞いてないなと思い、涼が出ていった後に恐る恐る池上に聞く。
すると今までにこやかに話していた池上の態度が一変した。
「有川涼様だ。そんなことも知らなかったのか。この薄汚れたどぶねずみめ」
…は?
あまりもの急変さに驚く大輝。
目の前にいる男は別人ではないのかと思うほど変わり様がすごかった。
呆気に取られる大輝だが、状況をのみこむと次第に怒りが増してきた。
今コイツ…、薄汚れたどぶねずみって言ったか?
「てめぇ…、口が悪くねぇか…!?」
「ハッ、そもそも俺は反対だった。奴隷に執事をつけるなんて。涼様の命令だから引き受けたものの…。何故俺がお前のような汚い下賤な奴の世話をしなくてはならない」
「こっちだって願い下げだ!!!誰がお前みたいな奴に世話なんかされるか!!どっか行けよ!!!」
「それが出来ないから苛ついてるんだろうが。そんなこともわからないのかこのクズめ」
「これでも学年1位ですけど何か!?」
「はあ?学年1位?大したことのない学校なんじゃないか。貴様でもとれる学校なだけだろ」
「~~~!!!」
怒りに身悶え、顔を真っ赤にする大輝。
「お前の弟だって大したことのない奴じゃないか。ろくに抵抗もできずに帰っていったぞ。無様にな」
その一言で大輝の堪忍袋の緒が切れた。
ベッドから飛び下り、池上の足を払い押し倒す。
そして腰に馬乗りになり殴る体勢を作ってすぐに打ちこむ。
―――パシッ
「おやおや、こんなもの猫パンチと同等レベルですね」
「なっ」
いきなり丁寧語に戻った池上は大輝の重いパンチを自分の手でやすやすと受け止め不敵に微笑んだ。
「合気道をやっていただけではこんなもんですか」
「はぁ…!?」
なぜかバレてる。
合気道やっていたこと。
今までで一番力を込めた拳をこうも簡単に受け止められては、大輝の打つ手は無くなる。
そしてあっという間に体勢は反対になり、池上が大輝の上に跨がっていた。
「形勢逆転、ですね?」
「っ、くそっ」
「わたくし武道は一通り網羅しております。寝技は得意ですので」
そう言った池上は大輝の腕をつかみ…
「いっ、い゛ててててててっっ!!!!!」
腕ひしぎをした。
痛みに悶える大輝はなす術無く涙目になりながら痛みに耐えた。
30秒ほど技を受けた大輝は見事撃沈していた。
「涼様は俺以上にお強い。分かったのなら無駄な抵抗はしないことだな」
「チッ」
あー、俺だせぇ…。
お付きの一人も倒せないと悟った大輝は一人しょげながらベッドに潜り込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 20