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休憩
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痴漢行為があったっつーことで、風紀委員及び警備員に件の男がしょっぴかれるといくら見た目のいいのが山ほどいると言っても流石に客足が遠のいた。
女子連中が休憩時間にしよう、と言い出した。
商品がバカ売れしたせいで厨房が追いついていないし、交代の時間も惜しんで働いてたし、今がチャンスだと押し切られ各々が友達のクラスや昼ごはんの調達に散っていく中、新夜と望男女数名が教室に残っている。
校庭に広がる露天を見ながら厨房担当の男子がぼやいた
『あーあ、売上ガタ落ちだなー...。』
そのつぶやきに食いついたのは接客担当の女子だ。
『はぁあ?!アンタ心配するのはそっち?!黒井くんの気持ちも考えてあげなさいよ!』
『サイッテー』
『そんなだからモテないのよ。』
口々に新夜の擁護とその男子への非難が集まる。
『あぁん?関係ねーだろうが!』
『デリカシーのデの字もないわ。』
『黒井くん大丈夫?』
急に話を振られた新夜は面食らいながらも
「別に、揉み方が気持ち悪かったっていうか、なんか、しつこいしウザかったから...。」
と自分は女ではないから特に傷ついたりはしていないしただ態度が横柄でうざったかったのだと主張する。
しかしそう言う新夜に望は腹が立っていた。
勝手に触らせるな。
もっと危機管理能力をつけろ。
でも、自分がそんなことを言える立場にいないことも重々承知している。
(これを「土屋望」が言うとしたら?)
「ほらほら、黒井もそう言ってるんだし、大丈夫だよ。んでもなー猫ちゃん?」
座っている新夜の頭の上に腕を組んで自分の顎を乗せ、
「もし、あのオヤジが猫ちゃん以外にも手を出したりしたらあぶなかったろ?男装の方は女の子ってわかるんだから。今回は男のお前だったからよかったけど、女子だったらって考えると怖いじゃん。」
上に乗ってくるなうざいと言われる前に諭すように口を開いた。
「確かに...それも、そうだな。」
「んでしょー?だから万が一またおんなじようなことがあったら言ってよー?被害の拡大は抑えなきゃだしー?」
俺に、とはまだ言えない。から、妙な大義名分もつけなきゃいけない。それが悔しくて、下ろした手を自然と拳を握っていた。
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