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金城先輩と中村くん
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「えと、ここ、かな?」
金城先輩はそろーっと入ってきた。
何にもない教室を見まわしながら椅子に座る。
「えっと・・・さっきは誤解しててごめんね」
「いやいいですよ」
僕の噂って結構広まってたから、純粋に女の子として僕を見ていた人がいるのは新鮮だった。
「ずっと仲良さそうなカップルだなって、思って見てたよ・・・。2人とも楽しそうだったし・・・。うらやましいなぁって・・・」
顔を赤くしながら話してくれた。
泉くんか安達くんから何を聞かれたか聞いたのかも。
「僕は友達もいなくて・・・こんなんだし・・・。もちろん恋人もいない・・・。でも、楽しそうな人を見るのは好きなんだ・・・」
ふわっとした笑みを浮かべながら話す。
本当のことを言っているように見えた。
メモを取りつつ話を聞く。
「だから、いい顔をした2人を見て、青春してるなぁって思って、見てた」
「そうですか・・・」
翔ちゃんは、いい友達。
こんな僕のことを、友達だって言ってくれた初めての人。
絢ちゃんや橘くんとはちょっと違うんだよね。
「翔ちゃんと話したことってありますか?」
「多分ないよ・・・。あっても覚えてないかな・・・。見てるだけだったし」
見てるだけ、というのは僕と翔ちゃんの2人のことだろう。
「以上、かな?三条先生呼んでくる、ね?」
「はい・・・」
金城先輩はお邪魔しましたと言ってドアを閉める。
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