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18歳以上ですか?
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悪役ですか?上等です
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なんで、なんで、
大原くんまで連れて来ちゃうかな?
1度も振り向かずに生徒会室まできて、5分ほど待ったら扉が開いて紀田くんたちがやってきた。
そこまではいい。
「遥が酷いことしないように、俺が見張ってやってるからな!」
いやここって普通、大切な場だから俺は行かないほうがいいのかなって、ならない!?
まぁ、大原くんが付いてきて、紀田くん達が連れてきたんだろけれど。
これはあれだ気にした方が負けだ、うん。
「で、本題なんだけど……
そろそろ仕事してくれますか」
少しだけって言ったから、早く終わらせないとって思っていきなり本題に入ったけど…
やっぱなんか話した方が良かったのかな?
「あー、まぁ、元気…みたいだね」
今更取り繕っても遅いよ自分……
「風紀にでも、手伝ってもらえばいいじゃないですか」
「……ん?」
「私達がいなくても、出来てたみたいですし、いなくてもいいでしょう」
「そーだよー。俺達いなくても同じならさ、蓮と一緒にいるしー」
「蓮と、ずっと……いる」
3人が次々に口を開いて出てきた言葉は僕の顔を引きつらせていく。
「いや、待って。確かに今まではなんとか出来てたかもしれないけど、日に日に仕事は多くなってきてるんだよ?
これからは紀田君たちの力が必要なんだ」
「だから風紀に手伝ってもらえばいいと言っているでしょう」
「二ノ宮君はそれを許さないと思うんだけど」
「俺らは仕事より蓮といたいのー」
「大原くんは一般生徒だよ。授業免除がある生徒会と違うから授業には出なくちゃならない。無断欠席、してるみたいだけど」
「教室では席が離れますし、他の生徒が邪魔なので」
「でも親衛隊も……、
っと、そういうことじゃなくて、大原くんといることは構わないけど、与えられた仕事をしてって言ってるんです」
「だいたい、適当に選ばれた役職で、副会長なんてしたくなかったんですよ」
「おれ、も」
「だからさ、したくないならしなくてもいいかなーって」
なんだよ、それ。
なりたくなくてなったのは、僕だって同じだ。
でも、でも選ばれたからにはちゃんとやると初めの頃に言っていたのに。
それに、噂が立ったら紀田君たちの家も評判が落ちるんだよ?
「…………、いい加減にしないと、リコールする事になるんですけど」
「「「はっ!?」」」
ごめんね。
「仕事、して下さい」
会長という名ばかりの僕に出来ることは、これくらいだよ。
こんなやり方しか出来なくて、ごめんね。
こんな会長しかできなくて、ごめん。
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