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第三章第七節:魔王トド松6
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sideチョロ松
ここでの記憶は、十四松が消してくれるらしい。
さすがに強烈過ぎて、今後に支障が出る可能性が高いからって。
それは、つまるところ、僕達が地上世界に戻りさえすれば、何も起こらなかったことになるってこと。
ただひとつ、おそ松兄さんを救えなかったことを除いては。
――あまりにも大き過ぎる代償だ。
地上と繋がりやすい地点があるらしく、死神ふたりについて歩む。
しんがりを歩いていた僕は、押しつぶされそうな想いに、思わず足を止めた。
「女神様」
びっくりした。
聞き覚えのある声に振り向けば、悪魔が立っていた。
…虚像?
向こう側が透けている。
いや違う。
魂だ。
消えていなかったんだ。
「ねぇ、行かないで。俺を独りにしないで」
今にも泣きそうな顔をしている。
「おいで。一緒に行こう」
「でも」
ああ…泣き出してしまった。
「悪魔は…地上に行ったら…居るだけで…不幸を生む…から」
「何を言っているの?」
僕は、おそ松兄さんの手を引いた。
「おそ松兄さんの家は、こっちでしょ」
***
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