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第三章第一節:魔鏡の鍵1
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sideトド松
目が覚めると、ふかふかベッドに横たわっていた。
白いシーツに、白い布団、それよりもシングル布団の新鮮さに一瞬だけ心踊る…
いや!そんな場合じゃない!
僕は、何でここに居るんだっけ?
おそ松兄さんは?おそ松兄さんはどこ?
「お目覚めですね。王子さま」
にゅうっと、僕の視界に入り混んできたのは、さっきお茶を淹れてくれたピエロおじさんだった。
「なっ何っ!?」
「怖がらないで下さいよ。あなたはね、この魔国の皇太子、つまり次期魔王。さぁ早く戴冠式をしましょう」
「ちょっと待って。何を言っているの?おそ松兄さんはどこ?」
ピエロが答えるよりも早く、部屋の扉がバンッ勢いよく開いた。
扉の向こうは、どす黒い靄が渦巻くような、不気味さが漂っている。
「どうやら、王子様の兄上様も貴方に会いたがっているご様子ですね。相思相愛ですか、素晴らしいですね。ささ、早く参りましょう」
ピエロに促され、ベッドから降りる。
どこか怪我をしているとか、どこか痛いってわけじゃないのに、歩く気が進まない。
…扉の向こうに行きたくない。
行ってはいけない気がする。
でも僕に拒否権はないらしく、ピエロは至極優しげな物腰で、僕を超絶に威圧してくる。
わざとらしいばかりに薄暗く、ひんやりした廊下を抜けると、重々しい扉が現れた。
「玉座の間ですよ」
ピエロの声が静かな空間に響いた。
「玉座…?」
僕が呟くと同時に、扉がひとりでにギギギっと音を立てて開いた。
広い部屋だ。
右と左に蝋燭が並び、部屋を照らしている。
真っ正直に数段の登り階段があって、その上に玉座が一つ。
そこに誰かが座っている。
「おそ松兄さん!?」
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