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第1章 12
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「……トアぁ…?」
寒い
いい加減寒くて死にそう
スマホの時計は日にちを越して少し経ってて
ってか、何時間こーしてんだろ
「……トア……寒いよ」
「あのさ、トア?開けて…?」
「……ね、ト…ア………」
ふあっ、と意識が浮く
寒かったのが嘘みたいに暖かく感じて
何だか、少し甘い香りもーーー…
「…ったく」
待ってたらその内諦めてホテルにでも行くと思ってたのに
倒れるまで居るってどういうことだよ
まぁ、扉の前で待ってた俺もだけどさ
持って来たブランケットを掛けて
抱えて、部屋に入ってく
「………バカか」
冷え切った身体から、コートを脱がして
パパッと服を着替えさせる
明日休みで本当良かった
祝日じゃなきゃ、金曜は普通に忙しい
ツバキが寝不足で来れなくなったら尚更
「俺も甘いのか…?」
髪をくしゃ、と撫でる
自分じゃわかってないんだろうカスタード色の綺麗な髪
薄い、澄み切ったような空色の眼
どれもこれも綺麗な癖して気付いてないのに腹が立つ
「…おやすみ、ツバキ」
優しくその白い頬に口付けする
ほんのりと、その頬が赤くなった気がした
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