アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第5章 5
-
「……はぁ」
「どーしたのジュリエット、ため息して」
「…別に、何でも……」
「?あ、もー少しだから、はいこれ」
「…あぁ」
オープニングイベントに出る事になり
まぁ、宣言を演劇風にするだけらしいけど、そのための脇役に俺が選ばれて…
喋る事は何も無いけど何でこんなドレス着てやらないといけないんだよ…っ!
「緊張しないで、ほらほらー」
「いや、だからって抱き締めないでください」
「えー、僕も緊張ほぐれるからこれが良いー」
「…はぁ」
「ジュリエット」
「何ですか」と、不機嫌気味にロミオ先輩を見る
変わらず、フワフワした笑顔
両頬を包まれる
何なんだ、この人は
更に不機嫌になると
更に笑顔になるロミオ先輩
「…君を愛してるよ?」
「そういう台詞は望んでませんよ」
「あーふられたぁ、えへへ。じゃあ君がお花になれるおまじない、はい、目を閉じてー」
「何ですか…」
ロミオ先輩の手が目に被さる
目の前が真っ暗に
アナウンスが、近づいて来る
「永遠に君が枯れないよう、僕は君に全てを捧げよう、この命も、愛も、盲目さも」
おデコに柔らかい感触
キスされたんだなって、すぐに分かる
そんな事だって思ってたけど
「ジュリエット、僕を捨てないで」
「…え?」
耳元で囁かれた声だけは
考えてもなかった事だった
「さてと、出番のようだよ?行こうか」
「え、あ、…っ」
さっき手渡された黒いベールを下げてくれるロミオ先輩
顔を見られないようにと、ロミオ先輩が気を利かせてくれて持ってきてくれた
「さっきの言葉は」と、声が出る暇もなく
舞台の幕は上がってしまう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 181