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彼との時間が欲しくて2
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「えー今日は放課後、来月のコミュニケーションキャンプの説明があるのでクラス委員は残るように…以上」
帰りのホームルームが終わってガタガタと椅子が鳴り響く。
委員会か…
結局あれから浩太に連絡先は聞いたものの、それ以外の進展という進展は何もなかった。
騒動のことがあるからあまりグイグイいけないのもあるけど、それ以上に意識し過ぎてよそよそしくなってしまっていた。
チラリと浩太の方を見れば思いきり目が合ってドキリとする。
何となくそのまま視線を逸らせずにいると、ニコリと笑って浩太が手元の携帯を指差した。
ブブブ…
間もなくして俺の携帯がメールを受信する。
なんだろ、、?
ドキドキしながらメールを開くと“今日は久し振りに二人きりだね”と書いてある。
バッと顔を上げれば、浩太は俺の反応を見透かしていたかのようにもう一度目を細めてニコリと笑った。
もしかして、、浩太も二人きりになりたいとか思ってくれてたのかな///?なんて都合のいいように考えて、一人嬉しくなる。
緩んだ頬を隠すように俯いて、俺はいそいそとカバンに荷物を詰め込んだ。
コミュニケーションキャンプ(略してコミュキャン)という行事がこの学校では入学して間もなくに行われる。
読んで字の如くコミュニケーションを図るためのキャンプだ。
といっても実際山の中でキャンプをするわけではなく、校内に設けられた合宿所で一泊するという簡単なものらしい。
普段は部活の合宿所として開放されている施設には大抵のものは完備されていて、手軽に泊まることが出来る、とそう言えば入学してすぐの施設案内で担任が説明していたことを思い出した。
「なぁなぁ、コミュキャンでカップルになる奴って多いらしいぜ」
噂好きの清水が帰り支度をしながらそんなことを意気揚々と俺に言ってきて思わず眉を顰める。
「また変な噂流す気じゃないよな」
「いやいやいや、ほんとあれは悪かったって!俺、そういうの偏見ないし!てかマジで杉本とだったら付き合え…」
「ない!ないから!」
全くあんなことしといてよく偏見ないとか言えたもんだ。
「清水には寺塚クンがいるだろ?」
皮肉を込めて言ってやる。
まぁこんなやり取りも日常になる程に、清水は本気か冗談か開き直った素振りを見せては俺にアプローチを繰り返していた。
男子校ではよくある話だと聞いてはいたけれど、所詮他人事だと思っていたのにまさか自分がその張本人になるなんて、、
清水の話を聞き流しながらも、もしカップルになったらあまり公にはしない方が良さそうだな、と真剣に思って苦笑する。
とはいえ俺のセフレという立場からの昇格はなかなかに難しそうだ…
清水と別れ、横目で浩太を盗み見る。
カップルか…
はぁ、、と浩太に聞こえないように小さく溜息をつくと、俺たちは事前に渡された冊子を片手に集合場所である生徒会会議室へと向かった。
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