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こんな食生活をしているにしては、メタボじゃないしどちらかと言うとスラッとしている。身長も高めだし。
ムカつくことに顔も小綺麗だ。肌荒れも見受けられない。
こいつの体どうなってんだ。大量の塩分どこいった。イケメンは体内の構造までイケメン仕様なのか羨ましい。
俺がジトッと凝視していると、目元にチョップされた。
「痛っ!目ぇ潰れた!」
「キャー呪いの左目が発動しちまうー怖ぁい」
「ムカつく……!」
棒読みで言いながらせせら笑う川島に地団駄を踏む。
こいつマジで腹立つ!俺こいつに暴力しか振るわれてないんだけど!なんの恨みがあるわけ!?
睨みつけるも、飄々とした表情で返されてさらにイライラが募る。
怒りに任せて川島の手からカゴを奪い取った。
代わりに俺が持っていたカゴを押し付ける。
その行動を不思議に思ったようで、ムカつく顔からきょとんとした表情になった。
「は?なに?」
「没収。代わりにこれ買って食べなさい」
その中には、もやしと豚肉、魚肉ソーセージが入っている。
安かったからとりあえず買っておこうと思って入れたのだ。別にすぐ必要なものでもないので、なくても支障はない。
中を見た川島が意外そうな声を出す。
「お前料理とかすんの?」
「軽くね。加工品ばっかじゃ体に悪いし」
「俺別に健康だし」
「今はまだ若いからいいけど、40代50代になるとその皺寄せが来るんだよ!お前絶対将来メタボ高血圧糖尿病だぞ!」
「えぇ……」
勢いよく詰め寄って畳み掛けると若干引かれた。
しかしこれは本当に重要問題だ。未来の健康は今の食生活で左右されると言っても過言ではない。
何を隠そう俺は健康オタクだ。
俺の勢いに押され、川島はしぶしぶカゴを受け取る。
もやし、豚肉を触った後、魚肉ソーセージを手に取り物珍しそうに眺めている。
初めて見たとか言うんじゃないだろうな。
その様子を横目に見ながら、川島から奪ったカゴの中身を商品棚に戻していく。
川島の「でけぇウインナーだな…」という呟きは聞かなかったことにする。
おつまみ類を全て戻し終え、俺は反対側の棚に移動した。本来のお目当てのジャム類だ。
意外と種類豊富でどれにしようか迷う。
ラムネジャムやあんこスプレッドなど珍しいものもあったが、やはり定番にしておこう。
せっかくだし2、3種類ほど買っていくか。
イチゴジャムとブルーベリージャム、マーマレードジャムを適当に選んでカゴに放り込む。
これでいいかと決めて振り返ると、川島がまだ魚肉ソーセージを眺めていた。
……見なかったことにしよう。
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