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もう遅いから、泊まっていきなよーという言われているのに、ハミドは帰ってしまった。
やることがまだ色々と残っていてなと、笑っていた。
多分、側近の方とか、王子をやめるなんて、そんな簡単にできるものではないからだろう。
身分もなくなるからと、ハミドは父さんには王子だとは話さなかった。
「士恩、ハミド君は本当に男前だったよね。」
父さんが惚れ惚れするように振り返る
俺は父さんと布団を並べ、今日は一緒に寝ることにした。
「うん、ずっと言わなきゃって思ってたんだけど、言えなくてごめん。」
「そうだと、思ったよ〜。父さんも最初は、えっ?ええっ?って感じだったしさぁ…。戸惑ったなんてものじゃ、無かったよ。でもね、やりたい事やこれが好きっていうのを、仕事でも勉強でも見つけられたら、最高じゃない?父さんは士恩がハミド君という大切な存在を見つけたんだって、嬉しくなったよ。今でもハミド君に釣り合うようにって、必死で頑張ってるんだろっ?解るよ、父さんには。もしハミド君にふられて別れることになっても、それは士恩にとって素敵な経験で、いい恋愛になる、そう思って今か今かと二人のほうから言ってくれる、待ってたんだよ〜もうっ心配させてくれるよねっ。」
「父さんっ」俺は父さんの布団に潜り込むと、父さんに抱きついた。「俺は最近優しくないことばかりしていた。父さんに折角貰ったものなのに。俺、これから色々気をつけるよ。ハミドにも悲しい気持ちにさせないようにする。」
父さんは髪を撫でて、「士恩は優しいでしょう。それにすごく頑張り屋さんじゃないか。父さんもあんなに色々頑張れないって思うこと、沢山あるよ?」
あちらのご両親にも、気に入って貰えるといいよねって頭を撫でながら、俺は久しぶりに父さんと、ゆっくり眠った。
翌日から、ハミドは激務を極めていたのか、だいぶ会えなくなってしまっていた。
それでも、俺達がドーナツ屋にいれば、一瞬だけ立ち寄って、俺と話したら満足して帰ったり、空の茶室で先に寝てていいから、泊まりに来て欲しいと言われ、律子さんのご飯を食べてお風呂に入り、のんびりしてても2時には眠くなってしまい、ベッドで寝てると、朝起きたらパジャマの俺を抱き枕のようにして寝ていたりと、ハミドなりに少しの時間でも俺と触れていたかったらしい。ご両親に会う日まで、なにか一生懸命準備しているのがわかり、俺も口を挟めなかった。
カリフさんやシェザードさんと会うことはあったけど、二人とも疲れているというより、落ち込んでいる。
「俺のせいで…」というと、カリフさんは首を振り、「聞いた時にはびっくりしたよ。けれど、ハミドがそうしたいなら動かないわけには行かないからね。ハミドが廃籍になっても、ついていきたいというもの全員を連れて行くわけには行かない。王室の人材でもあるわけだから…」「カリフさんも?」「私はもともと、好きでハミドに仕えているだけで、別に王室の人材ではないよ。ハミドと一緒にこれからもやっていくつもり」それを聞いて俺は凄く安心した。
「今後とも、ハミドを宜しくお願いしますっ!」
「いや、私がシオンに言いたいのはまさにそのセリフだけどね。シオンが悪者にされないかとずっと悩んでいるよ。せめて廃籍されてからシオンとの事を発表したって良くない?なんでそういうデリケートな根回しを私に相談しないのだろうね…。」
いつものカリフさんぽくなってきて、安心した。
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