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あの時、父さんは
「勇人は生きててくれてよかった」と泣きながら嬉しそうに言った。
あの時のオレはまだ中学生で、馬鹿だった
だから、父さんの気持ちを分かっていなかった
でも、つらい中で、頑張って反抗されたときも、仕事で嫌な事があった時も
笑って、「大丈夫だよ。」と言っていた。
本当は1番大丈夫じゃなかったのだ。
でも、オレはその言葉を信じていた。
しかし、今のオレは違う。
あの時、父さんはつらかった
でも、オレの前では泣いてはいけない。
父さんは目の前で母さんを亡くした。
最愛の母さんを目の前で亡くしたのだ。
だから、1番つらいのは父さん。
なのに、オレは父さんが悪いと思い込んでいた。
なんで?なんで、母さんが亡くなったのに、そんな平気でいれるの?
と思っていたが、そんな事はなかったのだ。
まだ、今日始まった罰。
まだ、1回しか抱いていない。
だったら、好きだから、好きだからだいたって事にしよう、
勇人自身が気づいたのだ。
どこかで、父さんに特別な感情を抱いていると。
しかし、それを認めたくなかった勇人は母さんの事を思い出し、嫌いだと思い込んでいた。
でも、それは今日変わったのだ。
抱いて、可愛い、好きだという感情が勝った。
だから、罰なんかじゃない。
「ねえ、父さんは?父さんはオレの事嫌い?」
と質問し返した。
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