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鴉と黒い心
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本当は褒めて欲しくって
料理を覚えたし、
洗濯だって掃除だって一生懸命やったんだ。
挨拶も、勉強も、全部全部っっ!!!
母に褒めて欲しかった。
笑いかけて欲しかった。
俺だって見て欲しかった。
少しでも触って欲しかった。
ひとえに母に
認めて貰いたい一心で。
兄と……皆と家族として
一緒にいられるなら……
母に認めて貰えるなら
俺は何だってしてきたんだ。
頑張ってるのに!
こんなに好かれようと必死なのに!!
……なんで俺をいらないの?
お願いだから、俺を捨てないでよ!!
(ああ……そっか)
……だからか。
母には見抜かれてるんだ。
褒めて貰いたがりの嘘つきで、
その浅ましい心を見透かされて
嫌われているのか……
「カァァーガァー」
さっき追い払われたカラスが電線の上で
恨みがましくこちらを見て鳴いている。
俺はまるでカラスみたいだ。
真っ黒な髪の毛、真っ黒な心。
皆に嫌われ、邪魔者で。
違うところは羽が無いことだけ。
―――だけど、
羽があったとして
俺は一体何処へ飛べばいい?
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