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もう一度、言え
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今日から二日間病院の慰安旅行とかで
母さんが不在なのををいいことに
兄の部屋に入り浸っていた。
兄さんは普段から聞き役に徹してる事が
多く、その大概が“ふーん”とか
雑誌を捲りながら聞いてる。
でもでも、ちゃんと聞いてる証拠に
途中で色々助言してくれたりして
決して聞き流されてるって事じゃないから
念の為!
ただ……あんまり自分の事は
話してくれないけど。
そんな兄さんが、この話題に触れた時、
初めて別の反応をした。
「――もう一度言え。
何て言われたって?」
出会った頃ならいざ知らず最近では
二人の時に先ずこんなキツイ言い方を
されたことはない。
兄さんの突然の口調と反応に驚いたけど、
特別おかしい事を言ったとか
全く思い当たらないし。
いつものようにその日あった事を
話して……そういえばと
思い出した数日前の四堂君との
会話を付け加えただけ。
俺は考えてもその起点が分からず
もう一度自分の中で兄さんに話した内容を
頭の中で反芻していた。
付け加えて言った事といえば、
確か―――
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