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ハミドの地下迷宮③
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《全く、一度もハミドは振られた事もないんでしょうね。》ドハは呆れたように言うが、俺だってそのくらいある。
《記憶があるだけで、シオンに手酷く最低2回は振られている。そのあと、一度は監禁され、一度は死にかけた。色々最低だろう。》
ドハはびっくりして、一体何をしてシオンに拒否られたのか聞いてくる。
あまり思い出したくはないが…
《船に連れ込んで、媚薬を盛って無理矢理シオンと行為に及んだ後と、シェザードと裸で抱き合っていた時に現場を抑えられたことだったな。》
《ちょっ!何をしているんですか、なんかろくでもないエピソードばかりです。俺はハミドを尊敬してこの数年頑張ってきたというのに、失望させないでくださいよ。》
《シオンが絡むとな、側近達は皆、俺をろくでもない変態扱いするのが最近の傾向だ。お前もそういう運命なんだろう。気にするな、あれが可愛いのは今に始まった事ではないし、泣かせてみたくて俺が狂うことはしょっちゅうだ。何かの事故が、たまたま起こることもあるだろう。》
《軽く犯罪なのも入っているくせに、ドヤ顔で威張らないでくださいよ、全く…。俺はまだ、紫さんに嫌われてはいないと思います。でも、俺が子供だから、紫は別れたいって。好きでも、高校生とこのまま付き合う事は、周りが許さないだろうと、きっぱり言われました。紫は俺が卒業したら30を超えます。待たせるわけには行かないし…》
うじうじと、だらしのない奴だ。
《好きなら、どんな手を使ってでも手に入れようとは思わんのか。》
ドハは寂しそうに、静かに言った。
《好きだから、困らせたくない…。そういう価値観だってあるんですよ。》
俺には全く理解出来んがなと答えると、そうですか。シオンなら肯定してくれそうですが、と小さく笑っていた。
その日は、深夜になっても救助が来ることなく、ドハと交互に数時間ずつに分けて、交代で眠る事にした。
雨が降ることも無かったため、朝方が冷え込むのは少々堪えたが、わりと纏まった睡眠が取れたこと、疲れもそこそこ取れた。
身体もそこまで弱ることはなく、ドハと二人で支え合いながら翌日以降も、行動を共にした。
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